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1か月でベンチャー企業を辞めた「早稲田卒ブロガー」その理由は?

学び

周囲との差を思い知り、1か月で辞職を決断

depressed young man portrait

 憧れの早稲田に入り、周りの起業家に刺激を受けた日々のことを目を輝かせながら話してくれた榎本さんの顔が曇ります。

「結論から言うと、僕はもう4月いっぱいでスタートアップ企業をやめてしまいました。理由はとても簡単で、僕がスタートアップでの個人に課される課題に耐えられなかったからです。

 僕の入った会社では、研修での仕事の勉強以外にWEB関係の資格をとらなくてはいけないんですが、9時から20時まで研修を受けた後に、試験のための自習をしないといけなかったんです。

 一体、どんな試験があったというのでしょうか。そこには文系出身ならではの苦労があったとか。

「もともと理系出身の同期たちは余裕がっていたり、すでにその資格は取り終えているというヤツもいて。でも自分はその分野ではペーペーなので、人の倍勉強しなくてはいけない。

 大好きだったブログにも手が回らなくなって、その生活は好きなことで稼いできた僕にはとても苦痛なものでした。それでこんなにすぐ辞職してしまうことになりました」

 傍から見るととても自由に見えるかもしれないベンチャー企業ですが、実際は人手不足ゆえ、仕事をする上で発生してくるさまざまな業務をマルチにできなくてはいけないということなのです。

「高望みしすぎたのかな」と反省

机の上で仕事・勉強をする男性

「好きなことで大きなお金を動かすのはとても大変なのだと思い知った」と彼は言います。では、彼はこの後の人生をどう考えているのでしょうか。

「休んでいるうちにブログも大きく流入が減ってしまったので、今はブログを立て直しています。今まで自由に、自分の向いていることを仕事にしてきたので……ちょっと高みを目指しすぎてしまったのかなと思ってます」

 新卒1か月で辞表を出しましたが、ブログの収益で生活していける保障はまだないのです。

「まずはブログを頑張って、もう少し自分のペースでやっていくために、フリーランスで活動していこうかなと思っています。起業という大きな目標の中では学歴は意味を持つ前でしたが、フリーでやっていく中では、学歴も名刺に入れて、早稲田ブランドをもっと活かしていきたいです

 今はSNSなどで個人の活動が世に出ることも昔よりだいぶ機会が多くなってはいますが、ブロガーやインフルエンサーといった職業には流行り廃りのような行き詰まりもあるでしょう。

 思い切った挑戦をするからには、自分なりの人生設計を持って取捨選択していくことが重要なのではないでしょうか。

<取材・文/ミクニシオリ イラスト/zzz(ズズズ)>

1992年生まれ・フリーライター。広告業界で絵に書いたような体育会系営業を経験後、2017年からライター・編集として独立。週刊誌やWEBメディアに恋愛考察記事を中心に寄稿。Twitterでは恋愛・人生相談にも回答しています
Twitter:@oohrin

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