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リモートワークが原因のうつ病も…隠れた「職場の病気リスク」

学び

IT化、リモート化が労働者の心を蝕む要因に

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 さらに産業医の大室正志氏は、政府が企業に導入を促すリモートワークにも問題があると指摘する。

「リモートワークは通勤や会社にいなければならないという身体的負担は減らしますが、成果の判断が難しいために精神的にはプレッシャーとなります。これまで日本では、良くも悪くも会社に来ていればある程度仕事をしていると判断されました。

 ですが、リモートワークは成果物だけでの評価。たとえば、メールの返信が遅いだけでもサボっていると判断されかねないため、過剰に働いてしまうんです。逆に、上司側も評価が困難で負担が増える。結果として、うつ病を発症する人が増えています」

 もともとその職場にあった要因だけでなく、時代による労働環境の変化でも病気のリスクは高まるのだ。

【河合薫】
健康社会学者。東京大学大学院などを経て現職。働く人々への取材総数は700人超。著書に『他人の足を引っぱる男たち』(日本経済新聞出版)など

【大室正志】
産業医。産業医実務研修センター、ジョンソン・エンド・ジョンソン統括産業医を経て現職。専門は産業医学実務。約30社の企業に従事

― 特集・病気になる職場 ―

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