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相模鉄道20000系、鉄道友の会ローレル賞を受賞。受賞式を現地ルポ

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ローレル賞受賞の決め手

ローレル賞

20000系の車内

「基本設計とか機器を共通化することによって、標準化されたということを、ひとつのコンセプトとする車両が非常に増えている中で、お客様に接する車内は、落ち着きと透明感のあるグレートーンでまとめられています。

 また、車体の各部には、斬新なデザインと、地域性のある構造、装置が採用されています。このように、数々の卓越した特徴を持つ車両であることを選考委員会では、高く評価し、ローレル賞に選定をいたしました」

 鉄道友の会加藤幸弘選考委員長は緊張した面持ちで、20000系の選考理由を語った。

相鉄社長らが語る20000系への想い

ローレル賞

表彰状と記念盾

 須田会長から表彰状、記念盾が相鉄の千原広司社長に授与されたあと、千原社長、クリエイティブディレクターの水野学氏、プロダクトデザイナーの鈴木啓太氏が20000系に対する想いを語った。

■千原広司社長

ローレル賞

千原氏は2019年6月28日より相鉄社長に就任

「相模鉄道は現在、都心直通事業に取り組んでおりまして、賞をいただきました、この20000系は、2022年度下期に開業を予定しております、東急線との相互直通運転に向けた車両でございます。

(中略)特に(YOKOHAMA)NAVYBLUEのカラーとですね、正面のデザイン、そして、グレートーンでまとめた内装が特徴となってございます。この20000系車両が高い評価をいただけたのは、デザイナー様とメーカーの皆様の御尽力の賜物でございまして、感謝申し上げます」

■水野学氏

ローレル賞

くまモンの生みの親、水野氏

ローレル賞

水野氏がもっとも好きな車両は、国鉄時代に登場した電気機関車、EF66形で、ブルートレインを牽引する力強さにひかれたという

「この度、(20000系の)デザインの特徴の中で、グリルのようなものをモチーフとしております。これからクルマやバイク、ならびに走るモノすべてが電気で動くようになっていくと思います」

ローレル賞

20000系と12000系(写真)の前面デザインにグリルを採り入れた

「その中で、グリルのようなデザインをモチーフにしたということは、つまり、少し過去のモノ、これから過去になっていくようなモノを、あえて取り入れております。“電車、鉄道というモノは、いろんな人の想いや願い、希望などを乗せて走っているんじゃないかなぁー”などというふうに感じております。

 そんな鉄道が未来に向けて、“少しでも皆様の心に残るような、そのようなデザインになるといいなぁー”というふうに考えて、デザインにしていきました。(中略)わたくしにとって、(ローレル賞は)大変誇らしい賞となりました。これまで受賞したどんな賞よりも最高に嬉しくて、正直泣きました」(水野氏)

■鈴木啓太氏

ローレル賞

鈴木氏はグッドデザイン賞の審査委員も務める

「20000系のデザインについては、当初より“新しい”というだけではなく、“新しいのですが、きちんと生活の中になじむ”ということを目指してきました。“それが通勤車両というもののデザインの特徴でもある”というふうに考えてきました」

ローレル賞

9000系リニューアル車の車内。10両中、8両はオールロングシート(写真)、2両はセミクロスシート(ボックスシート&ロングシート)が連結されている

「こちらにある9000系のリニューアルから、僕はブランドアップのプロジェクトに参加させていただいていますが、はじめに吊り革をデザインしました。“毎日、みなさんが快適に使えるというものは、どういう車両なんだろう?”とことを考えたときに、“吊り革を新しくすることが必要だ”と思いました。

 そこからインテリアのデザインや、エクステリアのデザインが進んでいくんですが、とにかく(鉄道車両の)経験がなかったもので、毎回毎回事務所の中に原寸大の模型を組み立てて、車両の内部を再現して。エクステリアについても、彫刻をつくるようにベントを削って、3Dプリンターを使ってというふうに、作ってまいりました。

 このような(鉄道業界に)実績のないデザイナーを選んで、任せていただいた相模鉄道さんには、本当に感謝をしています。また、色々と鉄道の業界のことがよくわからず、無理難題をぶつけて、それを応えて実現してきてくれた、日立製作所の方にも感謝申し上げます」(鈴木氏)

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