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営業車で事故を連発…運転初心者の新入社員に上司の対応は?

学び

初の高速道路の運転であわや大事故に…

 その後も、営業車のハッチバックを車庫の後ろにあった資材にぶつけて凹ましてしまったり、入庫時にドアを思い切り擦ってしまうなどやらかしを連発していた、小杉さん。

「立て続けに起こったものですから、先輩からは『ちょっとあいつ、やばいんじゃないか』という感じの扱いになっていました。ただ営業には営業車が必須ですから、運転しないわけにはいきません。そんな中、営業部長と2人で遠方のお客さんを訪問することになり、そのときに、自動車教習所の研修以来、高速道路を運転することになりました」

 部長とは何度か一緒に同行してたそうですが、「緊張はこれまでで一番だった」と言います。高速道路での合流などをなんとかこなすも、帰り道にアクシデントが発生。事故車の影響で走行車線から、追い越し車線へと変更しなければならなくなりました。

「行きの道中は一度も車線変更していませんでした。怖かったんですよね。そんな状況で車線を変更しなければならなくなったのですが、車が多くてなかなかタイミングがつかめずについに封鎖しているバーの直前まで来てしまったんです。部長は『まだ車線を変えないのか』と都度、言っていたのですが最後は悲鳴に変わっていました」

3度目は林道で立ち往生して崖から落ちかける

クルマ

 どうしようもなくなる直前でなんとか車線を変更できたものの、このエピソードはすぐに会社中に知れ渡ったといいます。

「ほかにもいろいろありましたね。仕事柄、林道を走って圃場に納品しに行ったりすることも良くあるのですが、雨上がりでぬかるんだ坂道の途中で立往生してしまって、そのまま滑って側溝に落ちかけてしまったこともありました。半年間で書いた始末書の数は合計5枚。ノイローゼ気味になってしまって真剣に退職を考えていました。ただ、『車の運転できないから辞める』とは言い出せずに悶々としていましたね」

 未熟な運転スキルと難易度の高い営業ルート……。入社時には想定していなかった状況を改善してくれたのは、営業部長の計らいでした。

「地元の自動車教習所が行っていた『企業向けのカスタム研修』を受講させていただいたんです。特にバック駐車を中心にレッスンしてもらい、ハンドルを切る位置やタイミング、視点の位置などを徹底的に指導してもらいました。研修の最後には実際に会社に来てもらって、車庫入れの実演も見せていただきました」

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