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営業車で事故を連発…運転初心者の新入社員に上司の対応は?

学び

 キャブオーバー型やステーションワゴン型の商用車は、今も昔も有形商材の営業マンにとっては、切っても切れない関係です。その一方で、若者の車離れという言葉がすっかり定着した今、にわかに問題になっているのが「新卒社員の営業車事故」です。

運転

※画像はイメージです(以下同じ)

 小杉健太郎さん(仮名・30歳)は、地方の農業資材卸業者にほぼ運転経験ゼロで就職。営業の仕事はとても肌に合うと感じる一方で、営業ルートが難コースすぎて半年間で5枚も始末書を書くなど、散々な入社1年目でした。

老舗の農業資材卸業者で運転デビュー

「まさか、運転技術が原因で退職しかけるなんて就活時には考えてもいませんでした」と小杉さんは語ります。

「車の免許は大学3年生で取得しました。都内に住んでいたのでほとんど運転の機会はありませんでした。また、車の運転は少し苦手意識があったので、実家に帰ったときも積極的に運転しなかった。なので、ほぼ運転未経験で入社したのですが、当時はなんとかなるだろうと思っていた。今から考えると正直、甘い認識でしたね」

 小杉さんが入社したのは、地方にある老舗の農業資材卸業者。営業車はプロボックスなどのステーションワゴン型とハイエースのキャブオーバー型、軽トラの3種類があったといいます。

「衝撃を受けたのは、車庫兼倉庫の出入口ですね。ボロボロの木造の車庫を囲むように、大人の身長ほどの深い溝が掘られており、その上に車幅ギリギリの鉄板が渡してありました。さらに車庫の出入口の幅もほとんど余裕はありません。また、車庫の前の道幅も狭くてろくに切り返しもできませんでした。そんな車庫にMTのキャブオーバー型の営業車をバックで入庫するなんて不可能ですよね」

助手席の上司の目の前でミラーをへし折る

クルマ ミラー

 入社から2か月が経った上司との営業同行で、小杉さんの不安は的中しました。上司からの指示で営業車を初めて運転。道中はなんとかなったものの、入庫時に運転席側のサイドミラーを車庫の入口に当ててへし折ってしまったのです。

「はっきり言って、バックギアに入れた瞬間から頭が真っ白でした。溝と柱のどっちを注意すれば良いのか分からなくて、しかもMT車(マニュアル車)なのでエンストしないようにするのが精一杯。上司が何か言っていたのですが全然聞き取れなくて……。気が付いたら真横のサイドミラーがなくなっていました」

 その時は初回ということもあり、先輩からは「会社の車で良かった」とからかわれる程度でした。ただ、それが2回、3回と続くと徐々に状況も変わってきました。

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