平均年収2000万円・キーエンス入社試験の超難関「説得面接」とは?元社員が解説
キーエンスで測られる能力③ 説得力
最後は「説得力」です。実際には①傾聴力、②多角的視点がクリアできれば、おおよそ「説得面接」は通過できるかと思いますが、さらに実行できれば嬉しいこととして「納得度を深めること」が挙げられます。
納得度を深めるにはさまざまなやり方がありますが、ここでは「例示」すなわち、「例え話を盛り込む」という手法を紹介します。
例え話は、相手に当事者意識を持たせ、話を「自分事」かのように感じさせる力があります。これができていない例え話は、する意味がないと言っても過言ではありません。これまでだと「登山は登る過程がきついが、それが逆に登頂での清々しさに繋がる」という事象をキーエンスの面接官にいかに「自分事」としてもらうか? ということ。つまり……。
「キーエンスは公私峻別(しゅんべつ)という文化のもと、仕事中は皆さん本気で働かれていると思います。一方でそれは、かなり精神的にも肉体的にもきつい事ではあると思いますが、だからこそ! 仕事が終わって家に帰って飲むビールは格別じゃないですか?」
これは登山の「登る過程がツラい⇒でもその後は清々しい」というフレームワークを抽象化&転用し、面接官がより身近に感じられる「仕事」に落とし込んだことで、成り立った例示です。
説得面接には「営業の基礎」が詰まっている
上記はいずれも私自身の「勝手な考察」ではありますが、大きく外れていることはないかな? と思っています。
そして何より、今回紹介した「説得面接の選考ポイント」は、普段営業職として勤めている方々にとって「基礎を見直す機会」となったのではないでしょうか?
一般的にキーエンスは、「会社としての優れた仕組み」に目が行きがちで、「営業マンはその中で動くロボットだ」などと揶揄されることがあります。しかし、その根底にはこうした手堅い基礎スキルが存在するのです。
<TEXT/吉田敬悟(@K5_940310)>