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キーエンスの「独特な就活面接」の本質を元社員が語る

学び

20秒自己PRで気を付けるべきポイント

「何が評価されているかわからない!」と学生に評されるのがこの面接です。しかし、あたりまえですが、その評価軸は確実に存在すると考えており、結論大きく2点に分けられると考えます。

 それは下記の2点です。

① 一瞬のコミュニケーション能力
② 高度な説明能力

 それぞれ順番に見ていきましょう。

① 一瞬のコミュニケーション能力

 正直、20秒自己PRの意図はこの要素を測る事が大半を占めると考えられます。実際に20秒面接を受けに行った就活生にヒアリングを行ったところ「最初の2秒ほどで、人事はiPadを操作し始め、結果通過していた学生もいた」という事例もありました。

 よって、PRの最初の一言で、例えば「人事と目を合わせてはきはきと話せるかどうか?」「自信をもってPRを言い切れるかどうか?」などコミュニケーションの基礎となるこれらの要素が非常に重要な評価軸になっていると予想できます。

 実際に働いてみて、そういった自信に満ち溢れた人が多いのがキーエンスという会社だったりしますし、意外とこれができていない学生が多いのも事実と言えますね。

② 高度な説明能力

 これもかなり重要です。言ってしまえば、20秒という限られた時間の中で自分がPRしたいことを最大限伝えられるかどうか?という事です。

 これに関しては、就活生ごとに話すPRが違うため、その構築方法をここで一概に話すことはできませんが、一番気を付けなければならないことは、

「自分のみが知る暗黙知ありきで文章を構築してはいけない」

 という点です。

「あなたが話す20秒自己PRに専門用語は含まれていませんか?」「背景や文脈を細かく把握しないと正確に把握できないような内容になっていませんか?」。これが大前提となる重要な評価ポイントです。

 社会人の方々にはもちろんお分かりいただけるかと思いますが、これらは組織コミュニケーションの上では基礎中の基礎であり、キーエンスはそれを選考段階で直接的に測っていると判断する事ができます。

測っているのは「社会人として当たり前の力」

ビジネスマン

 多くの方々が20秒自己PRを非常に特異に感じたかとは思いますが、よくよく冷静に考えてみると「ビジネスマンとして当たり前の力を直接的に測っているだけ」とも考えることができます。

 具体的にキーエンスの内定者の多くは初めに営業の道に進むため、見た目の印象や必要な情報を端的に伝えるという基礎能力が必要となるのは言うまでもありません。

 そして、それらの能力を一般的な企業の面接選考のように、「時間を掛けなくても測ることができる」と考えられた結果が、この20秒自己PRの誕生にすぎないと考えられます。

 その選考内容の合理性や話題性など非常に理にかなっており、キーエンスらしいなぁと今でも思っています。

 そしてそして……これはキーエンス選考のほんの序の口に過ぎないのです……。

<TEXT/吉田敬悟(@K5_940310)>

株式会社キーエンスとドローンベンチャーに従事経験あり。大学4年次より就活生向けへキャリア支援事業を運営。現在は新卒向けキャリア支援事業を続けると共に求人ポータルサイト事業「JOBS」にて独立起業(Twitter:@K5_940310

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