20代の自民党支持率はなぜ高い?「相対的にマシ」の声も
友達とは選挙の話にならない
さらに前出のOさんに詳しく話を聞いてみると、「周りの友達とは選挙の話はしませんでしたね。SNSなどを見ていると、れいわ新選組の評価が比較的高かったようです」と語る。
れいわ新選組と、NHKから国民を守る党の躍進は、それぞれの党首である山本太郎氏と、立花孝志氏の人気や、わかりやすいポピュリズム的な選挙戦略もあっただろう。また、SNSやネット動画を駆使した選挙活動が功を奏したという声もあった。
共同通信が8月18日に発表した政党調査によると、れいわ新選組の支持率が4.3%となり、参院選直後の前回調査から2.1ポイントも増加していた。これは野党では、第1党の立憲民主党に次ぐ支持率で、共産党に並ぶ。年代別で見ると、最も多いのが30代以下の7.4%で、若年層からの指示が目立つ。
しかしながら今回、取材で話を聞いた20代の若者の多くが「友達とは選挙の話をしていない」と回答。リアルな場面で政治の議論をするということは若者にとって一般的ではないようだ。
自民党のことはわからないけど山田太郎を支持
最後は10代の有権者・Tさん(19歳・男性・大学生)。Tさんは自民党比例代表の山田太郎氏に投票。その理由を聞いてみた。
「表現の自由を守るなど、アニメや漫画が好きな自分にとって1番わかりやすく、自分らに直接影響があると思ったから入れました。日本の政治については正直あまり考えたことがないです。自民党そのものについてもよくわかっていないし、特に何かを期待しているわけでもないですし……」
山田氏は今回、比例全体で3番目となる約54万票を得て当選。漫画やアニメなどへの表現規制反対を掲げ、SNSやネット動画を中心に選挙戦を展開し、若者を中心にいわゆる“オタク票”を集める結果となった。山田氏の活躍も、自民党の若年層支持率を上げる一助となったといえるだろう。
ネットを駆使する候補者が目立った今回の参院選。選挙活動におけるネット利用への動きは今後も高まっていくだろうが、それが若者の投票行動にどれだけ影響を及ぼすか注目である。
<TEXT/bizSPA!取材班>