テレビと出版業界の「契約書」問題。若手放送作家と編集者が考える
芸能人がYouTube進出する流れが加速
白武:最近、芸能人が続々とYouTubeデビューしてますね。夏菜さん、デヴィ夫人さん、本田圭佑さん。やはりカジサックさんの成功が大きいと思います。芸能人による100万人登録者は本田翼さんに続いて2人目ですからね。
もて:何をもって芸能人のYouTubeでの成功になるんですか。
白武:チャンネル登録者と再生回数ですね。広告収入よりは、テレビより効率よくブランディングできるというのがあります。自分の面白さも見せれるし、コントロールできるし。ぼくも霜降り明星と、7月10日からYouTubeで毎日投稿を始めました。
もて:霜降り明星のYouTubeチャンネルはどうなってるんですか?
白武:若い世代に刺さるものとピンポイントなことをやっていこうと。テレビだと、わかりやすくて、多くの人に興味を持ってもらえるものを目指しますけど、YouTubeは逆。ギャンブルとか深夜アニメの話とか視聴率を取れそうなものは、テレビだと深夜帯でもめったに試せない。
だけど、YouTubeだと、興味ない人はクリックしてもらえなくてOKだからピンポイントに刺さるものが好まれる。本人たちも、ここでしか出せない、本当に話したいことが話せるのでかなりやる気ありますね。まさに「好きなことで生きていく」ですね(笑)。初めて言いましたけど。
YouTubeの収益構造が許せない?
白武:いまYouTube業界の動画って、1本の動画の中に何本も広告が打てるから長いんですよ。今までは頭だけ広告流れる仕様だったけど、その仕様が変わって、視聴回数より視聴時間、つまり、どれくらいの時間見られてるかが大事になってる。だけど、ぼくは長い動画見るのがツラいんで、電車の中でひと駅ふた駅で見られる長さの動画を出したい。
もて:YouTuberって個人的には苦手意識がいまだに抜けなくて。広告収入モデルに対する嫌な気持ちもあって……。
白武:再生して儲けさせてたまるか、ってことだ(笑)。Apple Musicで好きなアーティストの曲を聞くのはいいのに?
もて:基準がめちゃくちゃ適当なんですけど、それは自分のなかでセーフになっていて。Appleにお金を吸い取られているのもしょうがないと思うんです。ただ、コンテンツと直接的には関係ない広告収入のお金で回っていかざるを得ないのが許せないんです(笑)。
白武:(笑)。広告収入というあり方が許せない?
もて:広告モデルみたいなものに対する違和感が年々強まっていて。とはいえぼくが携わっているメディアも広告によって成り立っているものは多いし、タイアップ記事のような仕事を受けることも多いのでぼくも広告費によって生かされてるんですけど(苦笑)。