コンビニ、ファミレス、蔦屋書店は「家の代わり」になるか
家はあるけど、ホームがない人々
もて:ただ、週1で「トーチweb」にホームフルについてのコラムを書いていくうちに、そんな簡単でもねえなと思ってきて。家はあるけど、ホームはない人もいるなと。
白武:家なのにホーム感がないってのはどういう状態? LINEで浮気がバレたから家がホームじゃない人みたいな?
もて:わりとぼく、昔から家にいる時に「帰りたいな」って気持ちになることがあって、それが謎だったんです。
白武:家に居て「帰りたい」って感覚。「実家に帰りたいなー、ママに会いたいなー」ってわけじゃないですよね?
もて:そうじゃないんです。ぼくが実家にいる頃から感じてたので、具体的な帰る場所があるわけじゃなくて、自分の部屋で椅子に座りながら、ふと「家に帰りたいな」と思ってた。
白武:実家の部屋にいるのに、家に帰りたいと思ってたと。
もて:ぼくの中で出た結論は、物理的な空間の家だけじゃなくて、駅から家までの道とかを含めたものにホームっぽさがある。それに対する欲求が「帰りたいな」という気持ちとして出てくるということ。
白武:帰るという工程に、帰りたい。なるほど。家にいるのに帰りたいっていうのは面白いですね。
いまの都市は「生活しづらい空間」
もて:行為としての帰りたいという欲求だったのかなと。若干ズレますが「代官山蔦屋が書斎ですよ」という話も一方では機能しつつ、それとは別に家族の形態とかコミュニティも変わってきていますよね。
そのせいで、いまの都市は生活しづらい空間になってて、便利さはあるけど、息苦しい。ホームが失われつつあると思うんです。「ホームフル」の概念は、それをちゃんとした形で、今の都市に合わせた形で回復させられるんじゃないかな、という感じです。
白武:ホームを取り戻そうよ、とホームの帰還を願ってるわけですね。
もて:そう。壮大だけど。
白武:もてさんは、ホームフルの提唱者として、もてスリムが考える間取りを開発するといいんじゃないかな、無印良品みたいに。