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本を読む暇がない、理解が深まらない…忙しい人の読書術

学び

「本=砥石」と捉えることで、リターンを最大化

砥石

 最終的にたどり着いたのは、「本=砥石、というイメージで捉える」という理解でした。

 今までは、「本からなるべく多くのことを吸収し、自分の中にどんどん積み上げていく」という理解をしていたのですが、これは必ずしも正しいと言い切れないのです。人間の記憶メモリーには限界があります。本のエッセンスを頭の中で積み上げようとしても、限界は想像以上に早く来るのです。

 そうではなく、自分の脳みそを「磨けば磨くほど切れ味が鋭くなるナイフ」、本を「ナイフを磨き上げるための砥石」というイメージを持つのです。そうすることで、無理やりアウトプットをしたり定着率を上げようとせずとも、本を読み進めることができます。

大切なのは“イメージを持つこと”

 読み終わった後に、何を学んだか、何が身に着いたか明確にする必要もありません。ぼくたちは、良質な本を読むことで、自分たちの今までの経験や知識がつまった脳みそをピカピカに磨くことができたのです。それで十分ではないでしょうか。

 このイメージを持つようになったから、本を読む量が圧倒的に増えました。また、逐一自分に定着させようともしていないのですが、自然と本の内容をふとしたタイミングで思い出し、自分の知識と関連付けて話せるようになったのです。

「無理やりアウトプットして定着を強制する」ではなく、「自分の脳みそを本を用いて磨く」というイメージを持つことで、逆にアウトプットもやりやすくなった実感があります。

 本を知識の集積ではなく、脳みそを磨くための砥石と捉える。シンプルなイメージチェンジですが、日々の学習を強力に推進する可能性を秘めています。よければ試してみてくださいね。

<TEXT/Shin>

某外資系コンサルティングファームで戦略コンサルタントとして勤務したのち、現在は某外資系企業で業務改善や戦略策定等の業務に従事。ビジネス書作家。ブログ「Outward Matrix」、オンラインコミュニティ「Players」を運営。無料メールマガジンも好評配信中

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