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滑舌アップは「リャ」行を唱えるだけ。ビジネスにも使える発声法

学び

 ビジネスにおいて、コミュニケーションは必要不可欠です。先輩や上司、取引先との会話も、相手に好印象を与える絶好のチャンス。世の中には話し方やプレゼンの仕方に関する情報もたくさんありますが、実は、声の出し方も重要だというのは意外と知られていないかもしれません。

 今回、ビジネスに役立つ声の出し方を教えてくれたのは『ビジネスの発声法』『「話し方」に自信がもてる 1分間声トレ』などの著書を持つ“声”の専門家・秋竹朋子さん。秋葉原で主宰されているボイストレーニングスクール・ビジヴォでお話を聞き、さらに実際のレッスンを体験してきました。

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“声”の専門家として活躍する秋竹朋子さん

声の質や大きさも相手への印象を決めるポイント

 秋竹さんの主宰するスクールには、20代後半から50代にかけて幅広い層のビジネスパーソンが訪れます。実際のレッスンにあたり「みなさん共通の悩みを持っています」と解説します。

「ほとんどの人は『声が通らない』『滑舌が悪い』『話に説得力がない』と言われたことがあるという悩みを話します。スクールに通っている方々は主に営業マンの方で、人前で話す機会が多い。上の世代になると部下への指導に役立てたいという方もいて、新卒で『頼りなくみえる』『話していてもなめられてしまう』と打ち明ける方もいます」

 声の出し方が注目され始めたのは、オバマ大統領就任時に「プレジデント・ボイストレーニング」が話題になったこともきっかけにあるとか。話し方に説得力をもたせるには「発声法にも気を遣う必要がある」といいます。

「人と人の会話における、第一印象を研究した『メラビアンの法則』と呼ばれるものがあります。誰かとコミュニケーションを図る場合、相手に伝わる情報としては表情や仕草などの見た目が約5割、声の質や大きさが約4割で、内容は1割にも満たない。話す内容が一緒であっても相手に響く情報自体の質や量も変わるとされています。そのため、声の出し方を学べば好印象を与えることもできます」

 初めは自信なさげにやってきた人でも、トレーニングを受講したあとは「自然と肩へ力が入り、自信がみなぎっている」とも。声の出し方を学べば、内面からも自分を変えられるきっかけになります。

簡単トレーニングで発声法が変わるのを実感

 スクールの指導は「誰もが本来できるはずの、きちんとした発声法を呼び覚ますのが目的」と話す秋竹さん。トレーニングの前に、声を出す仕組みを紹介してくれました。

「声を出す基本というのは、横隔膜を通して吸った息を大きく吐き出すことです。吐き出した空気が、話すときにのど元で震える声帯に当たると音になり、その音を口や鼻のどちらに響かせるかで声質が決まります。相手にしっかりと思いを届けるには、呼吸・発声・共鳴・滑舌の視点からトレーニングを行う必要があるのですが、ひと通りこなせばしっかりした声の出し方を学ぶことができます」

 赤ん坊が遠くで泣いていても分かるのは、「本来、人間が持っているきちんとした声の出し方をしているから」と秋竹さんは話します。

 では、大人になった今どのようにトレーニングすればよいのか。実際に、指導していただきました。

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