西武鉄道「電車フェスタ2019」体験ルポ。注目の新型車両Laviewも
「電車ぐるぐる巡りツアー」で“ウラガワンダーランド”へ
「主制御器操作体験」は、長蛇の列。主制御器というのは、電車の動力となる主電動機を制御するもので、床下に取りつけられている。これにより電車の速度を調節できるのだ。また、進行方向の切り替えにも使われる。
操作の体験は、101系に搭載されていたものと思われる運転台を使い、右手のブレーキハンドルを左にまわし、左手でマスコンハンドルを力行に入れると、主制御器が作動する。そして、マスコンハンドルを「切」、ブレーキハンドルを右にまわし、体験終了。ちょっとだけ電車を運転した気分になれる。
「電車ぐるぐる巡りツアー」は、10000系ニューレッドアロー、2000系、101系を舞台にしたアトラクション。まずは10000系ニューレッドアローの先頭車が来場者を迎え、記念撮影用のモデルに充てられている。
次は2000系へ。まずクハ2083の車内へ入ると、ロングシートの一部は、座面を裏返しにした状態で公開。無数のバネを配置することで、乗客の着座姿勢を支えている。また、座面を外した状態も公開され、暖房機などを内蔵する。まさに「ウラガワンダーランド」だ。
クハ2083からクハ2084へ渡ると、乗降用ドアの上に搭載されているドアエンジンを公開。下車すると、101系を含め床下機器などを公開。出口では、空気式と電動式のワイパーが舞い、お礼の意味で参加者に手を振る姿に映る。
家族連れ限定企画、パートナーゾーンの展示
今回の注目企画を2つあげておきたい。
1つ目は家族連れ限定企画として、40000系10号車のパートナーゾーンを展示。事前に整理券を配布し、数回に分けて“見学ツアー”を実施。参加者が全員乗り込むと、まずは係員から挨拶があった。
「40000系につきましては、“スマイルトレイン”の愛称で親しまれる、30000系の後継車両ということで、2017年の3月にデビューいたしました。現在、西武池袋線に4編成、新宿線に2編成、計6編成の車両が活躍しております。この編成は、座性指定列車であります、〈S-TRAIN〉や〈拝島ライナー〉だけではなく、各停、準急などでも営業運転されております。
そんな、40000系の最大の特長とはなにか、皆様、御存知でしょうか。そう、ここ10号車に設置しているパートナーゾーンです。パートナーゾーンは、通勤、通学で御利用のお客様、車椅子を御利用のお客様、ベビーカーを御利用のお客様、大きな荷物をお持ちのお客様など、“御乗車いただく皆様が車内で楽しく、快適に過ごしていただきたい”。そんな想いから誕生したスペースです」
「小さなお子様が外の風景を楽しめるように、大型の窓を設置しました。お子様を見守れるように、中央に腰掛を設置しております。また、現在、皆様が御覧いただいています、こちらのガラスになりますけども、特殊なガラスを使用しておりまして、スクリーンとして映像を投影できる機能を有しております(一部編成のみ)」(係員)
係員のあいさつを終えると、参加者の質問に丁寧に答える。パートナーゾーンを補足すると、腰掛に車椅子用の固定ベルト、戸袋にクッションパネル(立客の腰あて)、側窓下にパネルヒーターを設けており、快適に過ごせるよう、きめ細かい設計に舌を巻く。
なお、2019年度はロングシート車が増備される予定で、利便性の向上に期待したい。