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JR山手線で「危険な駅」ワースト5。人身事故が一番多い駅は…?

ビジネス

 6月1日、横浜市磯子区の新交通システム「シーサイドライン」の新杉田駅で、列車が逆走して壁に衝突し、乗客15人が重軽傷を負うという事件が発生した。いずれも命に関わる怪我ではないそうだが、列車は運転士を置かない無人運行システムを導入した車両だっただけに、衝撃が走った。

駅

 恒常的なダイヤ改正やホームドアの設置、「暴力防止ポスター」など乗客への啓蒙活動により、JRや私鉄の駅の安全性は、一時期に比べ、だいぶ高まってきたと思うが、事故は予想外の方向からおそいかかってくるものだ。

 そんななかでも今回は新宿駅、渋谷駅、東京駅といったJR山手線の駅のなかから、数々のウェブメディアや専門誌にも寄稿し、鉄道に詳しいライターの鼠入昌史氏に「山手線で気をつけるべき駅ワースト5」を選んでもらった。

人身事故が多いのは新宿駅、全路線だと新小岩駅

 ちなみに「鉄道人身事故データベース」というサイトでは、2010年1月以降に発生した人身事故の件数が掲載されている。

<JR山手線の人身事故件数ランキング(2010年1月以降)>

1位:新宿駅……42件
2位:品川駅……33件
3位:池袋駅……27件
4位:上野駅……24件
5位:東京駅……22件

 ちなみに、山手線の以外のすべての駅のランキングは以下のようになっている。

<全路線の人身事故件数ランキング(2010年1月以降)>

1位:新小岩駅(東京都)……50件
2位:川崎駅(神奈川県)……43件
3位:新宿駅(東京都)……42件
4位:八王子駅(東京都)……37件
同4位:西八王子駅(東京都)……37件

 都心で働く20代のサラリーマンであれば、ほぼ毎日のように利用しているJR山手線だが、何をきっかけに事故に遭遇するかはわからない。本当に気をつけるべき駅はどこなのか。ぜひ通勤時の参考にしてもらいたい。

JR山手線の駅はなぜ危ないのか?

 まず鼠入氏は、山手線について「基本的に大変古い路線であり、駅やホームの位置・構造はそうそう変えることはできません」と語る。

「特に地方の利用者の少ない駅なら一定期間仮ホームにしたり、営業を休止することも不可能ではないですが、山手線ほど利用者の多い駅だと、それは無理。駅周辺も市街地化が進んでホーム拡張なども難しく、昔から使っているホームをそのまま使うしかない場合がほとんどです。

 また、そうしたなかでも利用者が増え続けており、それに伴って両数も増やしています。1968年には10両に、1991年には11両になりました。ホームの改造もしていますが、どうしても末端部は細くなりがちです」

 そうした事情もあって、大都市の鉄道各社、特にJR山手線の駅ホームというのはどうしても危険な状況になりやすいのだ。

「ホームの狭さや利用者の多さに加えて、重いホームドアに耐えられるホームの構造もホームドア設置の難しさのひとつですが、ホームドア設置がなかなか進まなかったのも、こうした状況が背景にあると思います」

 では、以下に、鼠入氏が、気をつけたい駅ワースト5を以下に紹介する。

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