猫のスーパー駅長も。14年目を迎えた「人気ローカル線」を現地ルポ
1日乗車券で降りてみたいおススメの駅
取材時に下車した駅の中で、“思わず降りてみたくなりそうな駅”を御紹介しよう(和歌山、貴志を除く)。
●竈山(かまやま)駅、吉礼(きれ)駅
公共施設では、いまどき珍しい男女共用トイレがホームに設置されている。
昭和の時代、トイレの男女共用は珍しいことではなく、和式に関しては“ボットン便所”という汲み取り式。ここで携帯電話など、モノを落としたら、2度と使えない(=拾えない)「恐怖のトイレ」といえよう。
また、トイレットペーパーもなく、非常に使いにくい。“ボットン便所”を知らない日本人、外国人観光客にとっては、戸惑うほかなさそう。用がなくても、“昭和のオブジェ”として、見物したほうがよさそうだ。
●交通センター前駅
交通センター(運転免許試験場)、県立和歌山交通公園の最寄り駅。後者は“和歌山市民の憩いの場”で、南海電気鉄道の路面電車1両(1937年製)が1980年12月より静態保存されている。
路面電車は上屋が設置されていないせいか、車内外とも老朽化が進んでおり、ボロボロの状態は見ていて悲しい。
●伊太祈曽(いだきそ)駅
和歌山電鐡の本社と車庫を構える有人駅で、日・火・土曜日の10時00分から16時00分までは、よんたま駅長が顔を出す(公休日は月・金曜日で、祝日の場合は勤務。また、水・木曜日は先述の通り)。
レンタルサイクル「たま自転車」は4時間まで100円、4時間以上200円と安く設定されているほか、グッズ販売、有料の手荷物一時預かり(1日1個300円)、記念撮影用に制服(ジャケット)が着られるなど、サービスが充実しており、外国人観光客の利用も多い。
また、きっぷの購入、送迎などに備え、駅構内に一時駐車場(30分以内の利用)、付近にパークアンドライド用の駐車場がそれぞれ整備され、利用しやすい環境を整えている。
●大池遊園駅
貴志川線沿線最大級の公園。列車はこの池を渡るので、撮影の名所として知られているほか、春には約800本の桜が池の周りに咲き誇る。