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「整形口コミアプリ」で起業した24歳女子大生「社員はTinderで探した」

学び

 あなたは「美容整形」に対して、どんなイメージを持っていますか? 国際美容外科学会の統計(2014年)によると、今や日本は美容整形の処置数の多さではアメリカ、ブラジルに次いで世界第3位となっており、美容整形市場は毎年10%以上の成長率で拡大しています。

メイリー

写真中央が川井優恵乃MeilyCEO。両端が出資を行った株式会社NOWの共同代表、家入一真氏(左)と梶谷亮介氏

 中央大学5学年(休学中)でありながら美容整形口コミアプリ「Meily(メイリー)」を立ち上げた川井優恵乃さん(24)。彼女自身、総額433万円をかけて、美容整形をした経験の持ち主で、今でも美容整形をすると「ダウンタイム中(施術後の腫れが引くまでの期間)は不安な気持ちになる」と言います。

 そんな原体験を経て起業の道を進んだ川井さんに、美容整形の最新事情や、女子大生ならではの起業マインドを伺いました。

美容整形で時給アップ! 433万円の整形費用を稼ぐ

――最近、なぜ美容整形をする若い女性が増えているのでしょうか?

川井優恵乃(以下、川井):10~20代の女性の間では、Instagramなどの自撮りをSNSにアップする文化が定着しているので、簡単に自分の顔を他人と比べられるし、コメントで「隣の友達のほうが可愛いね」と書かれたりして容姿を評価されてしまうんです。写真加工アプリで「目がもうちょっと大きければもっと可愛くなれるんだな」と手軽にシミュレーションできることも影響していると思います。

――川井さんが美容整形をしたいと思うようになったのは?

川井:小さい頃から、同じことをしているのに可愛い子の方だけ褒められる、といったことがあり、可愛いほうが得というのを身に染みて感じていました。なので、可愛い友達が羨ましかったんです。高校生時代に化粧をするようになり、ずっとアイプチで二重まぶたにしていました。接着剤でまぶたがかぶれてしまってもアイプチをやめない私を見て、母が「そこまで二重にしたいなら、整形してもいいんじゃない?」と言ってくれました。私自身も「大学生になったら絶対に整形しよう」と思っていました。

――費用はどうされたんですか?

川井:大学生の間にキャバクラやクラブ、ラウンジでアルバイトをして稼ぎました。実は、整形をする前はラウンジの面接で落とされることもありましたが、整形をある程度したら、西麻布のラウンジのオーナーさんに「うちで働かない?」と声を掛けていただいたり、スカウトをされるようになり、どんどん時給の高いお店で働けるようになりました。費用は総額で433万円掛かったんですが、すべてアルバイト代で賄うことができました。

出会い系アプリで人材探し、今時女子大生の起業術

メイリー

美容整形口コミアプリ「Meily」

――起業のきっかけを教えてください。

川井:大学3年生のとき、アゴを整形したらヒドく腫れて、伸びたように長くなってしまったんです。当時はインターネット上に整形手術の体験談などの情報があまりなかったので、どうして長くなってしまったのか分からず。原因は腫れだったのですが、引くまでの2か月間、本当に不安で、毎日マスクをして大学に通っていました。整形を隠していたので、友達などには相談できずに過ごしました。

 その経験から「美容整形した人同士で安心して情報を交換できる場を作りたい」と思い、私と同じように韓国で美容整形をした人が集まるWebサイトを作りました。私がやっていたSNSを使って、180人に「美容整形の体験レポート」を依頼したところ30人が無償で詳しいレポートを書いてくれたんです。

「自分が時間と労力を掛けて得た体験談を、人のために提供してくれる人がこんなにいるんだ!」と感動して、もっとシェアしやすいアプリという形にしたいと思い、エンジニアを探すことにしました。

――エンジニアはどうやって探したんですか?

川井:最初は、同じ大学の情報学部の方に声をかけ他のですが、どの人もプロジェクト掛け持ちしていたり、インターンをしていたりでなかなか見つかりませんでした。そうしているときに、Tinderでイケメンを探していたら相手の職業が見られることに気づいたんです。そこで、「エンジニア」や「デザイナー」と書いている人に「アプリを作りたいんですが協力していただけませんか」とメッセージを送りました。

 それで出会ったのが今のCOOです。私がアプリの企画書を持参して説明すると、興味を持ってくれて、一緒に私の友人の美容整形経験者に会いに行って、どんなニーズがあるのか話を聞いたりしました。彼はすでにエンジニアのチームを持っていたので、仕事の休日を使って協力してもらえることになりました。

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