関東鉄道、2年ぶりの新型車両が登場。試乗会で見た“その本気度”
「常総に 新しい顔 お目見えダ」
「地域のふれあいパートナー」をキャッチコピーとする関東鉄道(以下、関鉄)では、駅に掲示された「キハ5020形乗車&撮影会」開催ポスターの見出しに川柳を使う気合いの入れようだ。
2年ぶりの新型車両キハ5020形気動車(注、電車ではない)を追跡してみよう。
26年ぶりに前面デザインを変更
キハ5020形で目を引くのは、やはり前面デザインであろう。
1993年12月に登場したキハ2100形以降、“平成の関鉄顔”として、長く親しまれたが、キハ5020形では前面スタイルを一新。また、屋根材も普通鋼からステンレス鋼(塗装)に変更された。
カラーリングはキハ5010形と同じ、関鉄ホワイトをベースに、青色は沿線の鬼怒川と小貝川をイメージ。
黄色のイメージは「豊かな大地に波打つ稲穂」から「筑波山からの朝日」に、車体側面の筑波山をイメージしたマークカラーも「新緑」から「早春の紅梅」にそれぞれ変更された。
キハ5020形のインテリアを公開
インテリアはキハ5010形をほぼ踏襲。シートモケットの一般席は赤、優先席は青にしてわかりやすくしたほか、取手寄りに車椅子スペース、下館寄りに非常用のハシゴを設置。運賃表はLCDで、運賃のほか旅客情報案内も兼ねている。
吊り手は身長の低い方、高い方がどちらもつかみやすいよう、2段式を引き続き採用。どうやら、関鉄のスタンダードになりつつある。
床下機器では、推進軸に本枠をさらに1つ追加し、脱落防止を図ったほか、充電発電機のベルトが滑らないよう、対策も施されるなど、乗務やメンテナンスの環境改善に努めた。
キハ5020形は関鉄標準の電気指令式空気ブレーキを採用したため、キハ2300・2400・5000・5010形以外の車両とは連結できない。
なお、キハ5020形の投入に伴い、キハ310形の313・314号が廃車された。2017年5月27日の「乗り納め!? キハ313・314号満喫乗車会」が最後の営業運転、2019年2月16日の「キハ313・314号さよなら撮影会」が最後の雄姿となった。