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人気のコンサルティング業界に入る前に知っておくべきこと。本当に高給取り?

ビジネス

 新卒・中途を問わず人気業種のひとつにコンサルティング業界があります。

 2017年の「東大・京大生が選んだ人気企業ランキング」では、1位のマッキンゼー・アンド・カンパニーを筆頭に、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)やアクセンチュア、ベイン・アンド・カンパニーなど10位中7社がコンサルティング会社という結果です(出典:東大・京大生が選んだ「就活人気100社」、プレジデント、2018)。

アクセンチュア

photo by Michael Gray CC BY 2.0

 私は「BIG4」と呼ばれる世界的に展開する4つの大規模な会計事務所のうち1社、および外資戦略コンサルティングファームにおける在籍経験から、たびたび同業界への転職希望者から相談を受けます。

 しかし、向き不向きは当然、誰にでもありますので、全員がコンサルティング業務に向いているということはありません。また、この業界の特色上、「いつ、何歳で入社するか」といったタイミングも重要です。

 そこで、本連載を通じて業界構造、入社面接、キャリア・パスや実際の業務内容など、近年のコンサル業界の特徴をご紹介していきたいと思います。

コンサルティング業界は未曾有の好景気

 各コンサルティングファームの業績を測るに当たり、従業員数がひとつのパラメータと言えます。コンサルティングは、労働集約型ビジネスです。つまり、売上を生むために必要なコストのほとんどが人件費に依存しています。

 従って、人数に比例して売上も増加し、逆に売上が減少すれば人数は減少するシンプルな収益構造となっています。

 例えば、戦略コンサルティングファームのひとつとして有名なBCGの日本法人では、2010年前半は300人未満の規模と言われていましたが、2018年には600人と、約2倍になっています。

 また、BIG4のメンバーファームであるデロイト・トーマツ・コンサルティングにおいても、2012年には1300人程度だった人員が、2018年には2500人程度まで成長しています。

 加えて、冒頭のランキングで東大・京大生の人気ランキング4位だったアクセンチュアは、リーマンショック以降、従業員数は着実に増加し、2015年以降には平均成長率が22%という驚異的な数字となっています。結果、従業員数は、現在は約1万人と公表されています。

アクセンチュア日本法人の従業員数の推移

 

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アクセンチュア日本法人の従業員数の推移(出典:同社HP 及び 求人メディア掲載情報を基に弊社作成)

 各社の驚異的な人員増加傾向から、昨今のコンサルティング業界は未曽有の好景気にあると言えます。この業界好景気は、クライアントである日系大手企業の業績が好調であることや、労働力不足が背景にあります。

 企業の業績が好調な場合、次の成長分野や大型システムへの投資予算枠が増えます。そして、これら何かを新たに行うための人材が社内にいない、もしくは確保できていない場合に、企業において外部依頼するインセンティブが働きます。

 例えば、新たなテクノロジーに対応した新規事業部の立上げ、海外進出に伴う組織再編や管理強化、ERP(SAPなど)やRPAなどの新たなテクノロジー導入などの投資を行うにあたり、大企業はコンサルティングファームに依頼します。

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