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20代で「やりたいこと」が見つからない人がするNG行動

学び

 やりたいことがあって起業したのではなく、起業ありきという本末転倒パターンですが、結果として長続きするやりたいこと(天職)が見つかったので、やりたいことを無理して見つけなくてよかったのです。

 世界的ベストセラー作家は直感から今のキャリアが拓かれ、筆者である私は人とのご縁からやりたいことが見つかり、結局、偶然がキャリアをつくり出したというわけです。

変化は対応するより振り回されないことが大事

 スタンフォード大学のジョン・D.・クランボルツ教授が提唱したキャリア論で「計画された偶発性」というものがあります。キャリアは目標を立ててからプランを立てるだけではなく、偶然の積み重ねでできあがることが多いことを実証した理論です。

 この理論にもあるように「やりたいこと」を見つけようとしなくても、大成する人は多いもの。目まぐるしく時代や周囲の人が変化するときに大切なことは、まわりの目を気にして変化に対応すること以上に、変化に振り回されないことです。

 むしろ、日常にある小さな変化や偶然を乗りこなしていくサーファーのようなスタンスが、自然とやりたいことにつながっていきます。

 ただ、ここで注意点があります。偶然は待っているだけではやってこないということです。さすがに誰にも心を開かず何に対して興味も示さなければ、ご縁も起きませんし、直感も働きません。そこで、積極的に「偶然の種」を撒いてみましょう。手軽にできる偶然の種の撒き方は、日常生活に小さな変化を持ち込むことです。

脱力系キャリアプランニングをしよう!

ビジネス

 たとえば、目的なしでもいいので必ず新たな10人と出会う強化月間をつくってみる、毎週水曜日にもらったお誘い、紹介を受けたもの(音楽、書籍、仕事など)は吟味せず全てに即答で「YES」といって乗ってみるなどです。意図的に新たな種を撒く期間や曜日を設定する方法です。

 また、同性があまりいない場所へ行く、友達の会社の見学など「場所の変更」、服装の変更、見る映画のジャンルの変更など「趣味内容の変更」、年齢層の異なる人、外国人など「付き合う人の変更」のように日常の習慣を打ち破って小さな変化を取り入れていく、プチチャレンジから始めることも有効です。

 キャリア、仕事、お金など先のことに不安を持つこともあるでしょう。やりたいことが見つからず「このままでいいのかな?」と立ち止まるときもあるでしょう。しかし先のことは誰にも正確に言い当てることはできません。

 それならば、今、目の前に起きている偶然を大切にし、皮膚感覚が合うものだけを残していくことが、自分にとってのベストな生き方を描くキッカケとなります。

 はじめから必然的に「やりたいこと」を“見つける”のではなく、偶然を楽しみ、結果として“見つかる”ような脱力系キャリアプランニングをオススメします。

<TEXT/鈴木進介>

コンサルタント。1974年生まれ。株式会社コンパス代表取締役。現在は「思考の整理術」を使った独自の手法で人材育成トレーナーおよびコンサルタントとして活動中。大学卒業後、IT系企業や商社を経て25歳で起業。著書に『本当に大切なことに集中するための頭の“よはく”のつくり方』(日本実業出版社)など多数
HP:鈴木進介公式サイト

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