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上司に信頼される部下になるために必要なこと

学び

報告のコツは…事実をたくさん持っていく

 次いで「②ポイントを押さえること」です。報告や相談の内容がピント外れかどうかは、天才でもない限りは練習量が物を言います。まずは率よりも量を重ねていかないと、自分がやるべきことや上司に相談していくラインを推し量れません。

 失敗から学ぶことが肝要です。たまに面倒くさがられたり、怒られたりしてがっかりしたり、しょんぼりしたりすることもあるかもしれませんが、1日も経つと良くも悪くもほとんど忘れてしまいます。反省したことは日記にでもつけて、気分が晴れてから冷静に見返しましょう。どこからか量から質へと転換する日がやってきます。

 しかしながら毎回毎回、「私はこう思うのですが、どうですかね?」と言ったように、自分の意見や感想を言って判断を仰ぐのも良くありません。上司に「そんな、しょっちゅう捕まえられて、浅はかな感覚を投げかけられもなぁ」と思われてしまいます。

 有効なのは、普段の業務を通じて見つけた、上司が把握しきれない、見切れない現場の実態や事実を持っていくことです。上司としても、少なくとも聞いておいて損はない情報になりますので、時間の無駄とは思われません。

文字で見せると「ちゃんとしてきた感」が出る

経営者

 気をつけるべきは、事実と感想をしっかりと分けて示すことです。自分の感想や見方を、あたかも起こった事実のように話していると、「こいつの言っていることはどこまで信用していいのかな?」と思われるのは時間の問題です。

 いま把握していることを大量に話して、「やってる感」を主にアピールして去っていくようなスタイルは、本人はスマートにこなしたつもりでいても、「大事なことを理解しないまま、うやむやに済まそうと思ってないか?」と勘繰られることもあります。

 それを防ぐためには、箇条書きでも構わないので、話題にしたいことや言いたいことを記したメモを持って行って、それを共有しながら話すことが大事です。なぜならば相手がそのキーワードを目にする時間が、メモ書きを用意したほうが、当然、長くなるから。言わば「ちゃんとしてきた感」が出てくるのです。

 今の瞬間に自分の考えていることを8割くらい表せれば十分というくらいのスタンスでいましょう。モヤモヤを早く形にしたほうがいいです。「よーし、メモを作ろう」として何日も過ごすのはナンセンスです。早く、早く出したほうが良いでしょう。

自分の考えを書くことで客観視できる

 思っていることを相手に分かるように情報や自分の考えをまとめることは、地味ながらとても高度なスキルです。「その時になったらできる」なんて油断は禁物です。

 例えば社長など普段接しないような役職の人から「いまどんなことやってるのか? 何か困っていることはあるのか?」と聞かれたときに、自分の仕事を全体的にどう説明するのか。今、目の前で担当している仕事で、どんな課題があるのかを端的に説明できるかどうかが、メモの作成力にも相関しています。

 アウトプットを自分にだけ見られるSNSでも作って書いておくこともいいでしょう。書くことは相手も自分もだませません。書いていくうちに自分の意見を客観視することができて、思考が深まっていきます。

 もちろん、文字で書かれるよりも口頭で伝えてもらうほうを好むタイプもいますが、TPOに合わせるということでしょう。

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