転職がうまくいかない人は「芸能人と付き合いたい」と言っているのと同じ
短期離職の原因は大きく3つある
――「ウズウズカレッジ」(コースごとに独自の就活カリキュラムを受講する大学のゼミのような研修型就活サポートと個別型就活サポートがある)は具体的にどんなことをしているんですか?
川畑:短期離職の原因は「人間関係」「業務上のミスマッチ」「仕事についていけない」、大きく分けてこの3つです。「人間関係」は集団行動で協調性を身に着けてもらえば意外と改善されます。
「業務上のミスマッチ」は業務の理解度を高めるカリキュラムで、こんなスキルが必要ですよってことを授業で教えます。「仕事についていけない」に関しては、できるだけ初歩的な資格の勉強をやってもらいます。少し勉強していれば研修入ったときにゼロからではなくて、50%まで進んだ状態で入っていけますから。
――受講するユーザーの割合は?
川畑:全求職者の半分くらいです。これ以外にも個別のコースがあり、研修型の就活サポートでは職種を絞って集団講義をやっています。
新卒と違って中途は同期入社がいないから、相談相手がいなくて抱え込んで辞めちゃうこともあるんですけど、業務内容が近い社外同期ができる研修型の就活サポートのほうが就職後に辞める人が少ないです。
――面接対策を重視していますか?
川畑:事業を立ち上げたばかりの頃は、面接対策に多く時間を割いていました。何度も台詞合わせをやって、面接の突破率は上がったんですけど、離職率は変わりませんでした。
企業側から「選考は良かったのに、入社したら全然違うんだけど」って意見を聞いて、本人のためにも、企業のためにもなってないことに気づきました。それからゴール設定を内定から定着に変えることによって、サービスの内容も変わっていきました。
失敗を認められない人はうまくいかない
――求職者に対して個別に分析も行うんでしょうか?
川畑:今までサポートした母数が多く、企業からの本音のフィードバックをもらっているので、大抵の場合、頭の中にあるデータベースで解決できます。失敗を認めないほうが良いとか、挫折はできるだけ隠しましょうって先入観もあるかもしれない。
だけど、そんな理由で落とす企業はありません。例えば資格試験に落ちて諦めた人がいて、どう考えても挫折でしょって話なんですが、そこを「いや挫折じゃないんです、これは…」みたいに言うと、失敗を認められない人って思われてしまうんです。
――就活がうまくいかない人って、問題はミスマッチというよりも意外と自分の中にあるんですかね?
川畑:結構ありますね。感覚や常識が間違っている人は多いです。企業側には「3年以内に辞めると評価が下がる」という見方が根強くあります。特に年配の人事担当者は、自分たちがそういう辞め方をしていないので、「根性がない」と上から目線で言う。
――企業からのフィードバックで参考になることはありますか?
川畑:重視されるのは素直さとポテンシャル、あとはモチベーション。この3つで評価されることを求職者の方は分かっていなかったりします。専門知識をどれだけ持ってるとか、どれだけスキルがあるとかも、重要だとは思うんですけど、実はそんなところは期待してないです。求職者と企業の評価項目がズレているので、その認識を合わせることが重要です。
――フィードバックはすべて求職者に伝えるんですか?
川畑:伝えるべき情報は伝えますし、言われても何も改善につながらないないし、テンション下がるだけって情報は取捨選択して捨てちゃいますね。