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『13歳のハローワーク』の呪縛は今日も会社員を苦しめる――人気コラムニストの「仕事論」

学び

 フリーランスとはどういう生き方なのか。そして、「働く」とは何なのか。

フリーランス

前回に引き続き、筆者(西谷)が小田嶋さんに迫ります

 今や組織に属すことのない「フリーランス」という働き方をする人々は約1100万人で、労働人口の6人に1人を占めています。

 この連載では、フリーライターの西谷格(男性、37歳独身)が、フリーランスで働く人々に話を聞きます。コラムニストの小田嶋隆さん(61歳)に、前編に続き今回は20代に向けたアドバイスなどを聞きました、

「フリーランスの才能は後付け」

――ところで、以前小田嶋さんの書いていた文章のなかにあった「フリーランスの才能は後付け」という言葉がとても印象に残ってるんです。

小田嶋隆(以下、小田嶋):それ、私は強く言いたいですね。才能があるとかないとかって人は勝手に言いますけど、才能って、別の言葉でいえば自分のやっていることをいつまでも好きでいられる能力のことです。好きでいられれば、仮にお金にならなくても、評価が低くても、やれるじゃないですか。

――好きという気持ちが続くかどうか、ですね。

小田嶋:潜在能力はある程度最初のアドバンテージにはなるけど、好きだっていうことこそが、生涯ついてまわる財産だから。好きであることのほうが、潜在能力そのものより重要だったりもする。でも、私もそうだったけど、若いときって潜在能力にすごく惹かれてしまいますよね。

お金さえ貯めておけば老後は「どうってことない」

――小田嶋さんは文章を書くことが好きという気持ちに、疑いを持つことはなかったですか?

小田嶋:そうですね。でも、ほかに何もできなかったというのも結構大きいと思いますよ。考えてみれば、あまり食えなかった5年間ぐらいがあったけど、それでもそんなに職を変えようとか思わなかったのは、食う食わないで考えてなかったからでしょうね。

――今は老後の心配とかはないんですか?

小田嶋:老後は……考えてみりゃありますけど。

――自分の老後はどうなるんだろう、とかって考えないですか?

小田嶋:いやー、考えたことない。大丈夫ですよ(笑)。お金さえ貯めておけばいいわけで、それ以外のことは別にどうってことないんですよ。

 別に大してお金があるわけでもないけど。子供はみんな独立しちゃったし、ローンももうじき終わるから、死ぬまではまあ大丈夫だろうと、そういう感じですよね。

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