「スキーム」という言葉を使う場面は?【いまさら聞けないビジネス用語】
ビジネスシーンにおいて、適切な言葉遣いは重要なスキルのひとつ。基本的なビジネス用語を理解していることは、コミュニケーションの円滑化に直結します。本記事では、いまさら人に聞けないけれど、知っておきたいビジネス用語をわかりやすく解説。それぞれの用語が持つ背景や使用されるシチュエーションを押さえておくことで、職場での会話やメールに自信を持てるようになります。今回は、ビジネスや技術、金融などのさまざまな分野で頻繁に使用されている「スキーム」について紹介します。
「スキーム」とは目標を達成するための枠組みや仕組みのこと
幅広い分野や状況で使用される「スキーム」ですが、ビジネスシーンにおいては、目標達成のために計画された一連の手順や、全体的な戦略を指すことが多いです。ビジネスや政策、金融など、さまざまな分野で広く使用されているため、意味の捉え方に悩む人も多いかもしれません。
実際にスキームは、どういった場面で使用されやすい言葉なのでしょうか。たとえば企業戦略におけるスキームの場合、企業が市場で競争優位を確立するために用いる、全体的な計画や戦略という意味です。具体的には「弊社のグローバル展開スキームは、アジア市場を中心に成長を図ることを目的としています」などの使われ方をします。
また、プロジェクト管理におけるスキームの場合は、プロジェクトの成功に向けた詳細な計画や進行管理そのものとなります。具体的に「プロジェクトの進行は、このスキームに基づいて管理しています」などのように使われます。
さらに、金融におけるスキームといえば、資金をどのように調達し、どのように活用するかを計画する枠組みや戦略のことを指す言葉です。このように、ビジネスで使われる「スキーム」は、特定の目標を達成するための詳細な計画や方法を表しますが、業界や状況によって若干受け取られるニュアンスが異なる場合があります。
ただし、アメリカにおいてはスキームが「悪巧み」や「陰謀」といった、ネガティブな言葉として捉えられるケースがあります。もちろんスキームに限らず、カタカナ語は日本以外で別のニュアンスとして使われることもあるので、使う相手や場面に注意しなければなりません。
スキームと間違えやすい言葉
ビジネスシーンでよく使用される「スキーム」という言葉には、ニュアンスや意味が似ているカタカナ語がいくつかあります。そのため、どの言葉を選ぶのが正しいのかを判断するのが難しいと感じている方もいるのではないでしょうか。
類似している言葉のひとつに「プラン」が挙げられますが、プランは将来的な行動計画全般を指す場合に使われることが多いです。ビジネスだけでなく「旅行のプランを考えましょう」などと、日常会話の中で使う人も多いと思います。
また「ストラテジー」も、スキームと同じような意味で使われる言葉のひとつです。2つの違いとして、ストラテジーは規模が大きく長期的な目標を達成するための戦略という意味で使われますが、スキームは今抱えている課題を解消するための具体的な手順や方法論に焦点を当てて使われます。
語感も意味も似ている言葉に「スキーマ」が挙げられますが、これはもともと「図式」や「計画」といった意味のある言葉です。ただし、使用する業界によって大きく意味が異なるため意味の捉え方に注意が必要です。
たとえばIT業界では、データベース内のデータの構造や配置を定義するための設計図のようなものを指し、言語学においては言語や文法の構造を理解するための仕組みや規則を指します。
正しく「スキーム」を使うために
紹介してきたようにスキームは幅広い分野で頻繁に使われる言葉であることをご理解いただけたと思いますが、正しい場面で適切に使うためには、まず文脈を理解しましょう。そして類似語との違いを意識し、文脈に応じてどの言葉を選択するかを判断することが大切です。
また、スキームを使用する際には、その計画や仕組みがどのように目標達成に寄与するのかも具体的に説明することが求められるでしょう。ぜひ紹介した内容を参考に、スキームという言葉を上手に使いこなし、あらゆるビジネスの場面でコミュニケーションの質を高めていきましょう。