1人焼肉ブームを生んだ「焼肉ライク」急成長のワケを社長に聞いた
2005年頃から「おひとりさま」という言葉が流行り始め、「ヒトカラ」や「1人鍋」で自分時間を楽しむ人たちが増えたとともに「1人焼肉」で楽しむ層も登場。
マーケティングファームの矢野経済研究所によると、2020年には第三次おひとりさまブームが到来し、外食市場で7兆9000億円を超えた。さらに同社は2019年11月~2020年1月までの間、独自解析手法で「1人焼肉・1人しゃぶしゃぶ専門店」を調査。ネット検索や口コミの熱量で「焼肉ライク」が最も高かったことがわかった。
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コロナ禍で飲食業の倒産が目立つなか、「無煙ロースター排煙装置によって換気ができる」焼肉店が注目されている。2018年8月29日に1店舗を出店した焼肉ライクは、どのように現代のニーズを掴んだのか? 株式会社焼肉ライク代表取締役社長・有村壮央氏に話を聞いた。
コロナ禍で生まれたアイデアではない
「1人でも行ける焼肉屋」というコンセプトを掲げる焼肉ライク。誕生したきっかけを有村氏に語ってもらった。
「焼肉を気軽に食べられるようにしたいと考えた時、1人で行けたり、安い値段で食べられたり、早く食べられたりするようなものが良いと思いました。結果、1人1台のロースターにたどり着いたのです」
なんとなくコロナ禍で生まれたアイデアのように思えたがそうではなかった。
「当初、寿司業界における回転寿司ができたようなイメージとして、敷居の低いお店を目指しました。週に1度の日常食になるようなものになれば良いかと思っています」
わずか10分で食べ終わるお客も
さらに、ビジネスとして考えると「回転率が非常に高い」と有村氏は語る。
「通常、焼肉屋の滞在時間が平均2時間に比べ、焼肉ライクは平均22分です。早い人だと10~15分で食べ終わって出て行かれます。それにより客単価は低くても、トータルの売上高は高くなります。回転が早いので、食材も常にフレッシュなものを出せています」
また、焼肉ライクは朝活にも着目し、2020年から「朝焼肉」をスタート。こちらも好調のようだ。
「朝に焼肉を食べる習慣はなかなかないと思うのですが、食べてみると元気が出るという声をもらっています。最初はお客さんも戸惑いがあるのですが、1回試すと気に入ってもらえると思います。他の店でもよい結果が出ていますので、今後も『朝焼肉文化』を作っていきたいです」
その他にも自宅で焼肉ライクが体験できる「ひとり焼肉キット」やテイクアウトやデリバリーなど、時代のニーズに合わせたキャンペーンも行っている。