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アンゴラ村長に聞く、“芸人会社員”としての生き方「教育に笑いを活かしたい」

暮らし

 キャリアアップやスキルアップなど、本業のみでは得られない経験などを目的とする「パラレルワーク」。高度経済成長時代から続いていた“同じ会社に定年まで勤め上げる”という価値観が崩れたことで、いまやそうした働き方を推進する企業も、ちらほらと増えはじめている。

アンゴラ村長

アンゴラ村長さん

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 2017年の『キングオブコント』で2位となり、一躍知名度を上げた「にゃんこスター」のアンゴラ村長さん(27歳、@pupumumumu

 彼女も芸人と会社員のキャリアを、2021年に入り本格的に両立させている。一見、ほんわかとした佇まいだが、この生き方を選んだ背景を聞いてみると、しっかり計算された人生設計に基づいていることがわかった。

物珍しさから“芸人会社員”を選択

――早稲田大学出身ということはたびたび明かされていて、卒業時に芸人をするか就職をするか、迷うことも多かったのではないかと。

アンゴラ村長(以下、アンゴラ):大学3年生のころは、もう事務所所属の芸人だったので、たしかにいろいろと考えましたね。最初は芸人のかたわら、アルバイトをしていくことも考えたんですけど、やっぱり生活の面が厳しくなるし、工事現場とか体力仕事を選んでネタにしようにも、小柄な自分には続かないかなと。それだったら、“会社員をしながら”のほうが親にも心配かけることはないし、当時は有名どころだとオアシズの大久保(佳代子)さんぐらいで、珍しがられそうだし良いかなあと。

――それでも、しっかり芸人をやりつつ働かせてくれる会社は限られてきそうな気もします。

アンゴラ:そうですね。最初は“複業OKか”というのを気にせず、メーカー、コンサルといった一般企業を受けに行ったんですが、面接のとき、学生時代にがんばったことに「お笑いコンテスト決勝進出!」って書くと、「なんで芸人にならないの?」って言われて落とされることが多かったです。新宿駅のホームから見える看板を見て「あ、私が落とされた会社だ」って今でも思うときがあります(笑)。

籍だけ置いていた職場に復帰する

アンゴラ村長

――その後はどういった企業を受けたんですか?

アンゴラ:とにかく複業できる会社を探さなきゃということで、比較的認めているところが多いベンチャー企業の就活サイトを見るようになりました。

 いま在籍している「株式会社これから」と出会ったのもそれがきっかけですね。Web制作をやっている会社で、ゆくゆくは自分でも作れたら、芸人をやる上で役に立ちそうだなあという下心を持ちつつ、何より採用キャッチコピーに惹かれたんです。

――いったいどんな?

アンゴラ:「どヘンタイ募集!」って書いてあって(笑)。会社側がテンション高かったんで、私も芸人として「かましやすいな」と思って面接に行ったら、すんなり「いいね!」となり、内定をいただきました。(当時は)周りも複業している方が多くて、バンドマンだったり、女優だったり、ボクサーやVTuberもいましたね。最初は営業のアシスタントとして働いていて、ライブがある日は16時に帰らせてもらうっていう、フレックスなスケジュールでした。

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