キャリアアップは「偶然が8割」 偶然を味方につける5つの行動特性
コロナ禍でいま、就職・転職市場に大きな変革が起きています。新卒・既卒の採用人数の大幅な縮小もさることながら、職場の業務内容が変わったり、働き方改革が行われ、転職・独立を考える人も増えています。
同じ職種ではなく、異なる職種に移行せざるを得ない人も増えているなか、私たちはどうやって無理ない範囲で自分の業務を転身させられるでしょうか。
そこで今回はキャリアカウンセラーとして2年間で数百人の就活生と対話した経験を持つ著者(黒田悠介)が「就職・転職を計画する人が見落としがちなこと」を紹介します。
※本記事は『ライフピボット 縦横無尽に未来を描く 人生100年時代の転身術』(インプレス)から再編集し、抜粋しました。
将来を見据えて準備することはできるか?
キャリアチェンジのための準備というと、職務経歴書の見直しや資格取得のことだけを想像する人もいるかもしれません。しかし、それだけで転換が可能になるわけではありません。ここで1つ、重要な考え方を導入しておきます。
それは「過去の経験が偶然つながって未来の可能性が拓かれることがある」ということです。これはキャリアにも当てはまります。仕事を通じた経験が、キャリアの転換を実現するのです。
そのようなことを、アップル創業者のスティーブ・ジョブズは「Connect The Dots(点と点を結び付ける)」という言葉で表現しました。2005年6月12日に行われたスタンフォード大学の卒業式でのスピーチでのことです。
しかし、この言葉は勘違いされることもあるので、誤解のないように伝えておきます。彼は決して「将来につながりそうなことを事前にあれこれやっておこう」と言っているのではありません。
どんな経験が役に立つかは分からない
役に立つかもしれないから資格でも取っておこう、ということではないのです。むしろ真逆。ジョブズはそのスピーチのなかで「将来を見据えて点(経験)をつなぐことはできません。あとで振り返ってつなぐことができるだけです」と言っています。
つまり、前もってどんな経験が役に立つ(点がつながる)かはわからないのです。それよりも、何かにつながると信じていまの仕事に真剣に取り組もうという、そんなメッセージが「Connect The Dots」です。
ジョブズ自身も過去に様々な経験をしていて、そこから様々なことを得たと言います。そういった経験の蓄積(Dots)があったからこそ、結果的に「Connect The Dots」が起きて、iPhoneを生み出すことができたのでしょう。