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有名インフルエンサーのステマ事情「1回で1000万円動くことも」

ビジネス

 ネット上で多くのファンを抱えるインフルエンサーを用いるマーケティングやプロモーションが、近年企業から大きな注目を浴び続けている。

インフルエンサー

※画像はイメージです(以下同じ)

 テレビなどで誰もが知る有名人だけでなく、SNSなどでの情報発信で影響力を獲得したインフルエンサーたちが割拠する現在、問題になっているのがステルスマーケティング(ステマ。実際にはお金をもらっているのに、広告と明記せずに、中立を装って好評価をPRする手法)だ。

 日本ではステマ自体を直接規制する法律はないが、嘘情報や意図的な評価で商品を密かに宣伝する行為は、消費者から詐欺・サクラ行為とみなされることも多い。また、商品を実際よりも良いかのようにPRするのは、「不当表示」として景品表示法違反になることもある。

 今回はそんなインフルエンサーを取り巻くステマ事情について、中国で3年前にTikTokを始めて人気TikTokerとなり、現在はライバー事務所「LIVER」代表を務める「りんか社長」に聞いた。

「実働4時間50万円」でも断られる

「インフルエンサーと呼ばれ、広告スポンサーから仕事のオファーが来るようになるのは最低1万フォロワーあたりから。商材としてはビフォー・アフターの変化が目に見えて、動画などで映えるもの、脱毛サロンやダイエットといったコンプレックス商材が多いです」と語るりんか社長。

 企業から舞い込む広告案件はインフルエンサーには非常にコスパの良いビジネスだという。

「再生回数に応じて支払われるアドセンス広告の報酬と違い、PR案件は単発で500万、1000万円という大金が動きます

 1フォロワーあたりの単価の相場はフォロワー登録者数1万~20万くらいのYouTuberであれば2円ほど。50万以上の知名度があると5円、10円も当たり前です。私も会社で1日2時間、2日間で計4時間の撮影をチャンネル登録者数100万人超えのYouTuberさんに50万円でオファーしたことがありますが、額が全く話にならなかったみたいで断られました」

ステマに手を出しやすくなっている

りんか社長

りんか社長

 一部のトップ層が“言い値状態”である一方、インフルエンサー内での格差も拡大し、ひと昔前に比べて現在は多くのインフルエンサーにとって稼ぎにくく、ステマ行為に手を出しやすい状況もあるようだ。

「PRコンテンツばかりだと視聴者も冷めるので、やはりインフルエンサーの心理的にも企業からお金をもらっているPRとは基本は明かしたくない。そもそも自分がステマをしている意識もなく、あまり深く考えないでステマ行為に手を出すインフルエンサーも多いです

 広告代理店にしても事務所にしても、ステマについて改めて教えてくれる大人って実はあまりいないので。おそらく1度もステマの経験がないというインフルエンサーはほぼいませんね。インフルエンサーのほとんどはステマ経験があると思います」

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