コロナ受け入れ病院で働く新入社員が見た現実「清掃業者の人が出勤拒否も…」
コロナ禍の中、今年の新入社員は異例のスタートをきりました。在宅で研修を受けている人も多く、「意外と楽」という声もちらほら。その一方で、医療関係の職場に勤める新入社員たちは、かなりハードな日々を過ごしています。
今回話を聞いたのは、首都圏の病院に4月から配属された鈴木義人さん(仮名・23歳)。病院の事務や、外部業者とのやりとりを請け負う会社で働いています。
コロナ禍で仕事量は通常の2倍
「新入社員としての研修は、入社してから10日もありませんでした。私が配属されている病院はコロナの患者を受け入れているので、今の仕事量が膨大なんです。先輩は通常の2倍だと言ってました。
私は新入社員ですが、あまりに忙しいので普通の社員と変わらない仕事を求められてしまいます。残業も普通にあって、会社を出るのが22時前後になることもあります」
鈴木さんの配属された部署では、医療機器やコロナ用のマスクなどの発注も担当していて、感染者の増加が仕事量の増加に比例してしまいます。ただ、コロナのおかげで減っている数字もあるそうです。
コロナ受け入れ病院の経営が危ない
「一般の患者さんは減っています。コロナに感染したくないからでしょうね。患者を受け入れるかどうかは、病院自体の性質によって変わります。
例えば、重病の治療が多い病院などは、その治療に支障が出るのでコロナ患者を受け入れないこともあります。少し遠くてもコロナ患者を受け入れていない病院があれば、一般の患者さんはそっちに行くのが普通だと思います」
調査によると、コロナ患者を受け入れた269病院では、患者減少で4月の利益率が昨年4月と比べてマイナス12.2%と大きく落ち込み、倒産の懸念まで出てきています(全日本病院協会など3つの団体が、5月7〜15日に調査)。
また、鈴木さんが最近困ったのは、外部業者とのトラブルだそう。
「私の部署では、病院で働く外部業者との仲介も担当しています。この前、以前から契約していた清掃業者の人とトラブルになったんです。清掃員の女性が『コロナにかかりたくない』という理由で出勤を拒否してしまったみたいで。この件は先輩が収めてくれましたが、今後もこのような不安が噴出すると思うと怖いですね」