毎朝3時に新聞の切り抜き。新卒ゆとり社員が「キツかったトレーニング」に感謝する理由
新入社員の初々しい姿を見ているとふと自分の新卒時代を思い出してしまうという人も多いのではないでしょうか。
ゆとりやさとりと呼ばれる世代にも、厳しい研修を課すことに躊躇しない会社はあります。今回は、厳しい研修を受けたけど、現在はそのおかげで成長できたと実感している方に研修時代の話を聞きました。
プライベート返上の早朝の自己研鑽
大学卒業後、大手証券会社に入社した大友博さん(26歳・男性)。現在は都内のIT会社に勤務している大友さんですが、前職はわずか2年で辞めてしまったそうです。
「私が新卒入社した会社は、就活生の間では職場環境が過酷だと有名で、実際に離職率も高く、面接では大変な仕事をやり抜く覚悟があるかどうかを判断されていました。だけど私は単純に給料の高さに魅力を感じて、厳しくてもお金の為なら我慢できると思い入社を決意しました」
そんな大友さんですが、研修期間を含む新卒1年目は何回も退職を考えたそう。
「実務の面ではバイタリティを試されるような体力勝負の仕事でしたが、それ以外に業務時間外でのトレーニングを目的とした研修がかなりハードでした。1年間毎朝、新聞を読み、その中でひとつニュースを切り抜いて、経済にどのような影響があるかを上司やメンターの前で発表する研修がありました」
新聞を切り抜く作業がキツイ理由
「単なるトピックの発表だけでなく、なぜ経済に影響するのかをロジカルに答えないと詰められます。また、他のニュースにも目を通しているかどうかを試すような質問もしてくるので、無作為にひとつだけ選ぶというやり方は通用しませんでした」
主要な全ての記事に目を通した上でその中からひとつ選び、自分の考えをまとめ発表できるように準備しておくということでそれなりに時間がかかりそうです。
「家でやってこないといけないので、慣れないうちは朝3時に起きて準備していました。要領を得ても5時には必ず起きてやらないと間に合わなかったです。特に最初のほうは1週間の支店配属の直後に、泊まり込みの集合研修を数週間するので、損しないように誰も定期購読をしません。みんな朝の3時にコンビニで新聞の配達を待ち伏せしていました」