食事制限できないなら…「1杯の水と間食」にダイエット効果
寒さも和らぎ、過ごしやすい春の陽気になってきましたが、薄着になるとともに自分の体型が気になりだした人も多いのではないでしょうか。
今回は、「メタボ気味なのに、食事制限が続かない」という人に、『不摂生でも病気にならない人の習慣』(小学館新書)の著者であり、長年、自律神経の研究に取り組む順天堂大学医学部教授・小林弘幸医師が、誰にでもできる簡単なダイエット法を解説します(以下、小林氏の寄稿)。
腸内環境を整える2つの習慣
まずはこの2つから始めてみてください。
1.食事前に1杯の水を飲む
2.間食する
実は、太っている人の多くは、「腸内環境の悪化」が大きな原因のひとつになっています。腸内環境が悪くなると、そこから肝臓へ運ばれる血液も、毒素や腐敗物を含むドロドロで汚いものになります。
この汚れた血液は、肝臓から心臓へ運ばれ、全身に行き渡ります。すると脂質代謝が悪化し、内臓脂肪として溜まってしまうのです。「腸内環境の悪化」が肥満に結びつくのはそのせいです。
さらに、汚れた血液のせいで、全身の細胞に十分な栄養が行き渡りませんので、低栄養素状態になってしまいます。すると、疲れやすくなったり、新陳代謝が悪くなったりします。
また、腸内環境は、自律神経とも密接に結びついていますので、腸内環境の悪化は、イライラにも繋がります。肉体的にも精神的にも、最悪の状態と言えるでしょう。
「コップ1杯の水」にさまざまな効果
逆に言えば、「体型が気になってきたな」と思ったら、腸内環境を整えればいいのです。ではどうするか。それが「食前の1杯の水」です。
食事の前に、コップ1杯程度の水を飲むと、胃結腸反射が起きるので、胃腸が動き出します。
胃腸が動いているということは、食べ物を受け入れる準備が整っている、ということです。何の準備もできていない状態の胃腸に食べ物が入ったときと比べると、消化吸収のクオリティーが格段にアップします。
スポーツと同じですね。ぶっつけ本番で試合に臨むのと、入念なアップをしてから臨むのでは、後者のほうがいい結果が出ることは、皆さん、ご存じですよね?
胃腸も同じです。入念なアップをしてあげれば、きちんと働いてくれるのです。それが、たった1杯のコップの水でいいんですから、お手軽だと思いませんか?