アメリカ社会を映す?今こそ観るべき“社会派”マーベル映画3選
スーパーマン、バットマン、アイアンマン、スパイダーマン……これらがコミックから生まれたヒーローだということは誰もが知っているでしょう。
とはいえ「スーパーマンはマーベル、それともDCコミックのキャラクター?」と聞かれると、答えに詰る人も多いのでは?
マーベルとDCコミックはアメリカのコミックを代表する2大出版社で、過去80年以上もこの業界を牽引してきましたが、昨年の2018年は、映画とコミックの売り上げにおいて、マーベルがとうとうDCコミックを打ち負かしてしまったのだとか!(※1)
今回は、マーベル映画が成功した理由と、代表的な映画3本に隠された社会的メッセージを紐解いていきたいと思います。
マーベル映画が成功した理由
クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト・トリロジー」とも呼ばれる、『バットマン ビギンズ』(’05)、『ダークナイト』(’08)、『ダークナイト ライジング』(’12)による大ヒットのおかげで、数年前まではDCコミック映画のほうがマーベル映画よりも映画市場をリードしていました。
ところが、2012年以降、「アベンジャーズ」シリーズの登場で、マーベルが映画市場を席巻するように。そして2018年は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『ブラックパンサー』『ヴェノム』とヒット作が続いたことから、マーベルに軍配が上がったようです。
なぜ、マーベル映画が観客に支持されたのか? 市場リサーチのテクノロジープロバイダーである「ZappiStore」が行った研究によると、マーベル映画のほうがDCコミック映画よりも、観客の感情に深く訴えているとのこと。
なんでも、マーベルとDCコミックそれぞれの予告編を見る観客の顔の表情を同社が精査したところ、マーベル作品ではヒーローが登場するだけで観客がポジティブに反応したのに対し、DCコミック作品ではCGや特殊撮影において観客が反応したのだとか(※2)。
マーベル映画のほうが観客が感情移入しやすい!?
確かに、マーベルのヒーローのほうがユーモラスで観客が感情移入しやすい、ということはよく言われています。
例えば、マーベル作品である「スパイダーマン」のピーター・パーカーはトラウマを抱えた普通の男の子だし、「アイアンマン」のトニー・スタークは天才で富豪だけれど、性格に難があり、DCコミック作品のバットマンやスーパーマンよりもずっと人間味があります。
こういったリアリティのある人物描写に加えて、社会的メッセージが込められているところも、マーベル映画が観客の心をひきつける理由だと考えられています。