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日本の若者が政治に無関心な理由。女性ゼロ議会だらけの”おじさん政界”は異常

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なぜ若者の政治的無関心が続くのか

 つまり、政治の世界は「おじさん=中高年男性」が仕切っており、女性や若者が入り込むには「おじさん」の価値観と同化しなければならない、という現状があるのです。 

 それが多くの場合、若者の政治的無関心へと繋がり、社会で何か不条理や違和感を覚えても、そのままにしている状況を招いているといいます。政治が保守的であることは、規制などの形でビジネスの活力も失わせてしまいます。

「今の若者たちのなかには、優れた事業戦略やモチベーションがあっても、さまざまな規制に縛られて何も動き始められないことが多いです。

 以前聞いたケースだと、ある会社がドローンとAIを駆使して、田んぼの虫食いをピンポイントで探し出す技術開発を行っているのですが、日本は農薬を搭載したドローンは飛ばせないという規制があるために、せっかく虫食いの場所がわかっても人の手で農薬を散布しに行かねばならず、効果が半分だといいます」

タイの若者が起こした新しい政治の動き

眼鏡の女性・緑

「他の国では、農薬散布用のドローンに関する規制はないのですが、日本は様々な規制で新しいことが始められない、規制でがんじがらめになっているのではないでしょうか」

 もちろん農業規制だけでなく、LGBTや夫婦別姓制度といった問題も同様です。

「これだけ家族のカタチが多様化し、家族のあり方に対する議論が行われていても、特に地方議会にいるような高齢者の議員だと、昔ながらの凝り固まった家族像しか持っていない。結果、夫婦別姓制度などに発想すら及ばず断られて話が終わってしまう。

 本当に若者が政治を変えようと思ったら政治家1、2人だと難しいです。今、タイでは『Future Forward Paty』という若者の経営者や学者を中心とした政党が注目を集めています。若者十数人規模でこうした動きが起これば、若者の政治関心も高まるかもしれませんね」

<取材・文/井野祐真>

株式会社扶桑社第二編集局SPA!Web編集部「bizSPA!フレッシュ」編集長、詠(ながみ)です。映画と音楽が好きです。

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