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「クレームを受けてもストレスゼロ」一流ヘッドハンターの仕事術

学び

仕事術2 マネジメントとはサービス業である

 私は、新卒で入社した大手総合人材会社のパソナで、若くしてマネジメントを経験させてもらいました。このときの経験から、私はマネジメントとはサービス業であると認識するに至りました。

 前回までの記事でも、ヘッドハンターとして大切なことはクライアントと向き合うことだとお伝えしましたが、部下をマネジメントするにあたっても、やはり向き合うことが第一だと心がけています。

高本尊通

高本尊通氏

 部下は人間ですから、常に色々な感情を持っていて当然です。しかし、マネジメントという役割が与えられた以上、こちら側にも上司としての責任があり、ときには部下と利害が対立してしまうこともありました。そんなときにも、私は努めて部下に同調することにしています。

 部下によっては、そもそも解決を求めているわけではなく、同調してもらいたいだけという場合もあります。そのときには、何も反論せず、同調だけして終わらせたほうがいいでしょう。逆に、相手が答えを求めていると感じたら、私なりの答えを述べるようにしています。そのあたりの判断は、いったん話を受け止めながら考えていくわけです。

 普段の仕事においても、部下に対しては特徴に合わせた指示をしたいと考えています。たとえば、自分で物事を進めたいタイプの部下であれば、ある程度放っておいたり、逆に事細かい指示が必要な部下であれば、積極的にサポートしたりして、あくまで相手を主体に動くことにしています。

 こうしたマネジメントは、ある意味で”しんどい”マネジメントです。もし楽にマネジメントをするのであれば、自分が仕事を放り出すなどして反面教師になって、部下が「自分がやらなければ」と思うように仕向けるという方法もあると思いますが、私は性格上、それができないようです。

 部下に指示した目標は、まず自分自身が率先して達成しますし、部下に変わってもらいたいと思えば、まずは自分を変えようと考える性格です。これはなかなか大変な面はありますが、これからも同じように続けていくでしょう。

仕事術3 40代から意識したタイムマネジメント

 年齢を重ねるごとに、私は時間管理への意識が強くなってきました。若い頃は、入ってきた仕事をひたすら、がむしゃらにこなしていましたが、そうしたやり方では十分なパフォーマンスを発揮できないと自覚したからです。今では、自分の身ひとつでできるパフォーマンスを最大化するために、どんな工夫ができるのかということを常に考えています。

 まず、メールはすべて、前日のものを始業時間前にまとめて確認しています。日中に次々と入ってくるメールに、その都度対応していると、集中力が途切れますし、積み重ねでかなりの時間を奪われてしまいます。チェックする時間を決めてからは、メールに煩わされることなく、仕事をすることができています。

 また、仕事の内容と時間帯を合わせる意識も出てきました。今は、集中力が必要な仕事は出来る限り午前中に終わらせ、事務作業などのオペレーションは午後という風に切り分けて仕事をしています。やはり、昼食後の時間帯はとくにぼーっとしてしまいますから、難しい仕事をすることはできません。

 スケジュールの組み方にも、独自の工夫をしています。一般に、スケジュールを組むときには30分もしくは1時間単位で設定すると思いますが、私はこれを15分単位で組むことにしました

 もともと、1時間で予定されていた会議が40分で終わったりするのを見ていて、時間の無駄を感じていたので、思い切って15分単位のスケジューリングにしたのです。この工夫により、1日に使える時間を増やすことができました。何年も積み重ねると、大きな時間になるでしょう。

<構成/小林義祟>

1972年3月7日生まれ。大学卒業後、パソナに入社。大手特別法人営業グループ責任者を経て、企画、アライアンス、業務改革担当として活躍後、2004年、株式会社プロフェッショナルバンク設立に参画。これまで約7000人あまりのキャリアに携わり、特に30代、40代の転職市場の現場に長く携わってきた。2012年にビズリーチ社の「日本ヘッドハンター大賞」、同年から2年連続で「リクナビNEXT AWARDMVA」を受賞するなどし、16年にはビズリーチ社によるヘッドハンターランキングで約1500人中第1位を獲得している

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