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新卒3年目でトップの不動産営業マンに聞く「売れるテク」がすさまじい

暮らし

できる営業マンは、夢をお客に言わせて共有する

 お会いしたワンルーム営業マンのTさんは、日々の営業活動で健康的に日焼けした黒光りツーブロックの新卒3年目。ガタイも大きく、鍛えられた肉体はパっと見ゴリラのようです。すでに社内ではトップの成績だそうで、営業に疎い私でも彼が営業マンとして超一流なのがわかります。

 夜中の24時を回っていたのに、パリッとしたスーツ、高そうな時計、磨かれた靴と綺麗なカバン。そして丁寧にメンテされた爪……。そしていまさっきまで飲んでいたはずなのに、まったくそのような素振りを見せません。

「私の営業スタイルは、お客様に夢をまず語ってもらうんです

 Tさんはウイスキーを片手にそう言います。

自分から売らずに相手に欲しいと言わせる

Man drinking

「たとえば、夢が“内気な自分を変えたい”だとしましょうか。“なるほど、それなら大きなポジションを取るのはいかがでしょうか”、とおすすめします。ポジションとは大きな投資をすること。そう言って私と夢を共有化して、思考を誘導するんです」

 なるほど。いきなり本題が出ました。夢を聞き出せるところですでに関係はある程度できています。ある意味、夢というのは自分の奥底にある秘めたもの。最初、相手はめんどくさくて話を合わせただけかもしれませんが、明らかにされたらしめたものです。秘密を共有している関係になったのです。

「僕はそもそもマンション売るって、最初は一言も言いませんからね。お客様は夢を実現させたいのか、させたくないのか。そこを詰めます。夢を実現したい、マンション買いますと向こうが言うまであえて勧めないんです」

 これは高度テクニックです。超一流の営業マンは、「自分から売らずに相手に欲しいと言わせる」といいますが、Tさんは若くしてもうその領域に入ってます。いわば心理学のテクニックです。

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