新築の半額以下で「都心のリノベ物件」購入…そこに潜む意外なリスク
ただし、万人に勧められるものではない
東京都内のリノベ物件は、1970年代のマンションが主流。渋谷や恵比寿など人気の街は、早くからマンションが建てられたこともあり、1960年代のマンションも市場に流通しています。
日本初の民間分譲マンションは「四谷コーポラス」ですが、これは1956年にできたもので、耐震性の不安と建物と付属物の老朽化から昨年取り壊しと建て替えがはじまりました。
60年代のマンションをいま買う、ということは、あと10年も経たないうちに建て替えや取り壊し解散の話が出てもおかしくありません。それは70年代ですら同じことが言えます。四谷コーポラスは日本初の民間分譲で有名になりましたが、現在、マンションの建て替え事業は60~70年代に建てられた旧耐震基準のマンションがメイン対象だからです。
購入するマンションが旧耐震でも耐震診断を受けて問題がないなら大丈夫、とも言い切れません。もともと、建物よりも配管の寿命が先にくるからです。古い建物は配管交換を前提に作られていなかったりします。リノベは新品のキッチンやトイレを接続しますが、流す先の配管がダメになっては、使えません。老朽化で配管詰まりや水漏れが頻発している物件の事例を私は知っています。
もし、購入して数年後。マンションの建替え決議が届いてしまったら……。自分が反対しても所有者の8割が賛成すれば建替え決議が通ってしまいます。もちろん、持ち分に対しての権利は保有していますが、リノベーションにかけた費用は保障してもらえません。1000万円の内装費用をかけても数年でパァになってしまうかもしれないとしたら、目も当てられません。
築40~50年になろうとするマンションを購入するのは、かなりリスクが伴うと考えたほうが良いでしょう。仮に購入する今は建て替えを検討していなくても、将来どうなるか、ましてや35年後どうなるかはわからないのですから。
<TEXT/のらえもん>