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「営業や日常で使える超当たり前の印象アップ法」と体感法をプロが解説

ビジネス, 学び

当たり前だからこそ、「いつの間にか、できなくなっていた」「できていないことにも気づいていなかった」ということは、意外とあるようです。ただ、そんなことで自分の印象や評価を下げるのはもったいなさすぎると思いませんか? そこで今回は接客改善に携わって10年以上の筆者が、営業や日常のコミュニケーションにも使える「超当たり前なのに忘れがちなテクニック」について、接客に携わる人たちから聞いた事例も交えながら紹介。また、その超当たり前テクニックの体感方法や確認方法についても紹介します。

※画像はイメージです

店に客が来ない・営業成績が上がらない

店を経営している人やスタッフのなかには「店に客が来ない」と悩んでいる人もいると思いますし、「営業成績が上がらない」と嘆いているビジネスパーソンもいるでしょう。そんなときに、できているかを確認しておきたいのが下記の5つ。

・身だしなみを整え店内や周囲を清潔に保つ
・積極的な挨拶で話しやすい印象づくり
・笑顔で過ごす
・反応に気をつける
・自分の会社や商品を知り堂々と説明する

当たり前すぎて鼻で笑ってしまう人もいるかもしれませんが、接客に携わる人たちから聞いた事例からは、意外とできていない事実が浮かび上がってきます。

1. 身だしなみを整え店内や周囲を清潔に保つ

人間はどうしても見た目で判断してしまう部分があるため、見た目がスッキリとしていて清潔感のある人に良い印象を抱く傾向があります。とくに飲食業の場合はエプロンや制服が汚れていると、客席からは見えない厨房などの衛生面が心配になってしまう客も多いようです。

接客に携わる人の事例には、そういった心理を裏付けるようなものもありました。

事例1:「近くにある競合店の視察に行ったとき、清潔感のない店舗があり、どうしてその店が人気なのか謎だとスタッフのあいだで話題になったことがあります。足で踏むとアルコール消毒液が出てくる機械や“のれん”、座布団なんかもシミや汚れがありました。価格の安さが人気だったようですが、ある口コミで『衛生面が気になる』というようなコメントが書き込まれてから同じような内容が続き、いまは閑散としています」

事例2:「商品に詳しく説明もわかりやすい部下なのに、いつも説明に入る前に客が帰ってしまうということが続いていました。寝癖やネクタイの歪み、スーツのジャケットを整えるように注意。いつもオイルでギトギトだった長い髪を切るようアドバイスしたところ一気に爽やかな印象になり、お客様からの評判も上々。半年ほどで売上が急激にアップし、上司の私も鼻が高いです」

2. 挨拶は話しやすい印象づくりのツール

自ら積極的に挨拶することは、「話しかけやすい」という印象を持ってもらえるチャンスづくりのツールといっても過言ではありません。明るい表情で「おはようございます」「こんにちは」と声をかけられ、嫌な気持ちになる人は少ないのではないでしょうか。

実際、接客に携わる人の事例のなかには、下記のようなものもありました。

事例1:「挨拶はあとから入社したヤツのほうからするものだと言っていた上司がいたのですが、話しかけにくいと孤立。そんなとき、コンサルの先生が上司に『自分から笑顔で挨拶してみましょう』とアドバイスしたそうです。最初はぶっきら棒な挨拶だったのですが、だんだんと表情が明るくなると印象も変わってきて話しかけやすくなりました。上司もそれが嬉しかったようで、いまはフレンドリーな雰囲気です。挨拶だけで印象がこんなにも変わるとは驚きです」

事例2:「私が勤めはじめたスーパーには毎日のようにやってくる不愛想な常連がいて、パートのあいだでも嫌われていました。パートのおばさんたちは当然のように、いつも眉間にシワが寄っているこの常連客を無視。目が合っても挨拶すらしていませんでした。パートのボスみたいな人がいて、私にも無視するよう言ってきたのですが、以前の職場で“お客さんを見たら、笑顔で挨拶”が板についていたため、反射的に挨拶をしてしまったのです。ところが次の瞬間、『こんにちは』と笑顔の挨拶が返ってきて驚きました。周りにいたパートのおばちゃんたちもビックリ。それからは、どんなお客様にも挨拶しようという感じに変わっていきました。クレーマーみたいな人もたまにいますが、前より減ったように感じます」

3. 笑顔で過ごす・反応に気をつける

笑顔でにこやかに過ごしていると、「あの人は話しかけやすい」という印象を持ってもらいやすくなるようです。また、声をかけられたときに「はい」と軽やかな返事を返したり、にこやかな表情で振り向いたりすることで、今後も声をかけてもらいやすくなるかもしれません。

接客に携わる人の事例には、下記のようなものがありました。

事例1:「アルバイトとして入店したばかりだったため、上司に質問することがたくさんあったのですが、声をかけるといつも不機嫌そう。そのせいでスタッフが次々と辞めていき、私も辞めました。上司は、いまだに自分のせいだとは気づいていないと思います」

事例2:「飲食店で働いていたとき、プライベートでイライラすることが続き、その気持ちを引きずっていました。そんなある日、ベルで呼ばれてオーダーを取ることに。オーダーを終えてそのテーブルから離れようとしたとき、『何あいつ!すっごい不愛想!』という声が聞こえ、ハッとしたことがあります」

4. 自分の会社や商品を知り堂々と説明する

自分の働いている会社のことや商品情報について詳しく知っておくこともすごく大切で、誰かに聞かれたときにスムーズに答えられると、あなた自身の株も信用度も上がる可能性が極めて高いでしょう。けれど、そういった機会が少ないためか、下記のような事例も少なくないようです。

事例1:「ランチに来たお客さんからおすすめを聞かれて答えたら、『どういうところがおすすめなの?』と質問され、答えられませんでした。私が困っていると、すぐ隣のテーブルで商品提供を終えた先輩スタッフが『暑い季節にピッタリのスパイシーな味が人気です。スパイシーな味は苦手ですか?』と助け船。ボンヤリとした記憶では、突然質問されると意外にパッと出てきません。普段から商品について深く知り、質問も想定しておく必要があると反省しました」

事例2:「新入社員が入ってきて、今までの営業エリアから離れることになったときのことです。新入社員を連れてあいさつまわりをしていたとき、いつもの細かくて面倒臭い客が新商品について質問してきました。いつものように『調べてあとで電話します』と答えようとしたところ、新入社員が詳しく説明しはじめたのです。それにも驚きましたが、面倒な客から1度も突っ込まれることなく説明を終えたことにビックリしました。面倒な客いわく、『こちらが聞こうと思ったことを汲み取り、すべて答えてくれた』とのこと。面倒な客はその後、かなりの台数の機械を新入社員に注文したと会社で人伝いに聞き、悔しい思いをしました」

超当たり前テクニックの効果を体感する方法

今回紹介した「超当たり前テクニック」は、ほとんどの人が「できていて当たり前」だと思い込んでいるようなことばかり。だからこそ、「本当に実行できているか」を確認していなかったり、効果を実感しにくくなっていることも少なくありません。そう、効果が発揮できているかを体感するときは、その確認方法も大切といえます。

「超当たり前テクニック」の効果を体感したいときにおすすめなのは、下記の2点です。

・評判のいい店と、評判が悪い店へ行って比較する
・周囲にいる評判のいい人と、評判がよくない人を見つけてその人を観察してみる

口コミなどをよく読んで、評判のいい店と評判が悪い店へ行ってみたり、周囲にいる評判のいい人と、評判がよくない人を見つけてその人を観察したりしてみてください。そして感じたことや改善すべき点、心地よいと思ったサービスや言動などをメモして比較します。そして、比較した内容をひとつずつ検証し、自分に当てはめてみてください。

接客や営業に使えるテクニックは、ごく日常のコミュニケーションで大切にされていることの詰め合わせであることに気づくでしょう。そのため特別に頑張らなくても、ちょっと意識するだけでできることが大半なはず。

また、「お礼や謝罪、その場に合った礼儀(おしゃれ)」も組み合わせると、「超当たり前テクニック」は、より効果を発揮します。ぜひ、意識して過ごしてみてくださいね。

<TEXT/山内良子>

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フリーライター。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意です

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