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海外ブランドにはできない「日本人が作る、日本人が毎日食べても飽きないピザ」を目指したピザーラ。36年のストーリーに迫る

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3大宅配ピザチェーンといえば、ドミノピザ、ピザハット、ピザーラになるが、この中で唯一アメリカ発祥のブランドではないのが、ピザーラだ。日本独自のブランドとして1987年に誕生し、日本人の舌に合うよう、カニのピザ、カレー味のピザ、和風ピザなどを続々登場させ、スタートから10年で全国420店舗を出店。売上高・店舗数ともに宅配ピザ業界1位(当時)となったことで知られている。

3大宅配ピザチェーンの一つ、ピザーラのストーリーとは?

昨年の2022年で35周年を迎え、記念キャンペーンなども多く行っていたが、肝心のそのストーリーについては知られざる話も多い。そこで今回はピザーラの担当者の解説と合わせて、宅配ピザ業界に革命を起こすに至った変遷と、ブランド立ち上げから今も変わらない思いなどについて紹介する。

映画『E.T.』のワンシーンからのインスピレーションで一念発起

1987年に誕生したピザーラ(目白店)

1987年に誕生したピザーラ(目白店)

冒頭で触れた通り、ピザーラは3大宅配ピザチェーンの中で、唯一の「日本発ブランド」だったわけだが、これを立ち上げたのは1980年創業の輸入商社、フォーシーズ。

創業者の淺野秀則氏は同時期に大ヒットしたアメリカ映画『E.T.』のワンシーンにあった宅配ピザを見て一念発起。「これから核家族化が進んでいく日本でも宅配ピザは必ず当たる」と確信し、ピザーラを立ち上げることになった。ピザーラ担当者はこう語る。

「宅配ピザが日本に誕生してまだ間もない時期で、新しい宅配ピザ屋さんが多く参入していました。創業者の淺野は『E.T.』のワンシーンでインスピレーションを受けてピザーラの立ち上げを決めたのですが、当初から『日本一の宅配ピザチェーンになる』ことを意識していました」(担当者)

すでにあったドミノピザ、ピザハットはアメリカ発祥のブランドだが、淺野氏はあえて「日本生まれの宅配ピザ」を目指し、海外からのピザチェーンにはない食材を意識したという。

「日本人の繊細な味覚に合い、そして信頼していただけるよう『毎日食べても飽きない』『毎日食べても安心できる』ピザを作りました。

食材は『フレッシュで安全な物を食べていただきたい』という思いから、熟度を管理したトマトを採用。

また、指定農家から仕入れたブラウンマッシュルームなどをお店で丁寧に均一な厚さで包丁で切り仕込んだり、チェーン店では取り扱いが難しいフレッシュなバジルを採用したり。オリーブオイルはイタリアの10年以上無農薬のオリーブを手摘みし、丁寧に抽出したエキストラバージンオリーブオイルを使用するなど、細かい食材までこだわりました。

また、基本となるソースはイタリアの完熟ホールトマトを使用したオリジナルレシピのもの。チーズは日本では珍しい4種類のナチュラルチーズをブレンドしたミックスチーズを使用。ピザ生地も誕生時よりパンの名店・浅野屋と共同開発し、基本食材へのこだわりも大事にしてきました。

『毎日食べても飽きない』『毎日食べても安心できる』という思いは、誕生当初より守り抜き、そして今も進化させ続けています。今日では『ピザーラのピザに合うトマト』を自社農場でスタッフが管理し、栽培する取り組みも実施しています」(担当者)

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