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2022年公開の「アマプラで観れる傑作邦画」4選。コロナ禍の恋愛を描く作品も

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3)正しく語れるはずがない「恋」を真面目に定義する

恋は光

『恋は光』 ¥5500  販売元:Happinet

 秋★枝の同名漫画を原作にした小林啓一監督の『恋は光』。“恋をしている女性が光を放ってキラキラして見える”という不思議な体質を持つ西条(神尾楓珠)を中心に、西条の幼馴染で片想いをしている北代(西野七瀬)、「恋とは何か」を探究する文学少女の東雲(平祐奈)、人の彼氏を奪いたくなってしまう悪癖を持つ宿木(馬場ふみか)といった個性あふれる4人のキャラクターが、恋の定義を考察していく。

「恋とは何か」という問いは、ある意味不毛なように思える。冒頭である学者の言葉を引用して「恋とは、誰しもが語れるが誰しもが正しく語れないものである」と述べられるように、人はおそらく自分が経験した恋のことしか実感を持って説明できないからだ

それぞれの恋模様にも目が離せない

 だから「恋とはこういうものだ」という一般論のようなものは存在せず、あるのは個別具体的な事例だけなのだ。そうであるはずなのに、この映画の偏屈な4人は恋を哲学したくてたまらない。そんな彼らの生真面目な議論がかなり愛らしく、ときに微笑ましい。

 そんな不毛な議論に興じながら、やがて終着へと向かっていくそれぞれの恋模様にも目が離せない。とにかく4人の言葉遣いが、仕草が、行動が、予測不可能でずっと意表を突いてくる。先が気になって、みるみる魅了されている。「こんな映画見たことない!」と思うこと必至だ。

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