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『カネ恋』最終話が描いた、ぽっかり空いた穴を愛するということ

 その人が“いない”ということが、この上なく存在を証明する。10月6日に放送された『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系ラマ/火曜22時〜)最終話では、三浦春馬さん演じる猿渡慶太が朝早く出て行ったきり帰ってこなくなってしまう

カネ恋

TBSテレビ「火曜ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』」 ※公式サイトより

 第3話で描かれた、玲子(松岡茉優)とキスした次の日のことだ。早乙女健(三浦翔平)への失恋でぽっかり空いた穴を、すぐさま埋めてくれた慶太。その深い包容力に救われた玲子は、また空虚さを抱えてしまう。彼がいないということが、無情にも想いを増幅させる。

明かされる父親が逮捕された過去

 慶太の不在に重なるかのように、最終話では玲子とその父親(石丸幹二)との再会の物語が描かれていった。これまでにも何度かフラッシュバックしていた、玲子の学生時代に、玲子の父親が警察に捕まってしまう場面。それがなぜ起きてしまったのかというのは「中学のとき、父が逮捕されたんです。私のせいで」という玲子の告白によって明かされていく。

 実は玲子の中学生時代は、慶太のようにお金づかいが荒かった。というよりも、玲子の父が彼女の欲望にすべて応えてくれていたのだ。望めばなんでも買ってくれたし、なんでもやらせてくれた。

 極めつけは、テニススクールでその才能を認められたことで、大会への遠征費やテニス留学に莫大なお金がかかったこと。玲子の父親は彼女の喜ぶ顔が見たくて、歯止めが効かなくなってしまっていた。

不在を追って旅に出る

おカネ

『おカネの切れ目が恋のはじまり』 (c)TBS

 そしてその莫大なお金は、実は会社で長年横領して得ていたということが、ある日突然父親が警察に連行されて知ることになる。玲子の“清貧”を突き詰めた生き方の原点には、そうした過去が関係していた。

 自分のせいで罪を犯してしまった父親への申し訳なさと、それでもまた会いたいという気持ち。そんな想いを胸に、慶太のペットである「猿彦」を連れて玲子は父親を探しに旅に出る

 そして訪れる父親との再会。「おまえの人生を壊してしまった」と謝る父親に「これだけで十分だったの」と思い出の「猿がテニスラケットを振るおもちゃ」を見せる玲子。試合で負けて泣いていたときに父親が買ってくれたもの。一度壊れてしまったけれど、それを再び繕うことから立ち直ったのだと、そう玲子は父親に伝える。

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