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東大中退ラッパーが20代の悩みに答える「学歴を捨てる勇気がありません」

学び

学歴にこだわることはマイナスでもなんでもない

履歴書

※画像はイメージです

ダースレイダー:僕に関して、迷いはなかったって言ったけど、40歳くらいになってから、学歴ってことじゃないけど、学校自体には行ってたほうがよかったなって思ったかな。それは、いま僕がやっているような、いろんな人に会ってラップしたりとか、いろんな人の話聞いたりとかするポジションに来た時に、大学っていろんな人がいろんな話してる場所だったなって思って。あのときは気づかなかったけど。

 だから今、首都大学東京のゼミに通ってるんだよね。あとからでも気づけばできることもある。必要になれば、本当に頑張ってもう一回大学に行くこともできるしね。そういった意味で、今この瞬間に、これを捨てる捨てないっていう迷いは、実はそんなたいしたことではないのかもしれないね。

“学歴にこだわる”って、なぜかマイナスでネガティブなイメージがあって、「そんなのに囚われずに自由に生きるんだ」っていう人いるけど、マイナスでもなんでもなくて、学歴は単に自分のカードで、バイオリンがうまいとか、そういうことと同じだと思う。

 この大学のここで学びましたっていうのを、どう使うかってことのほうが大事だし、30歳になってから思い立ってアメリカの大学に入りなおすとかも可能だから、その気になればいつだって新たなカードは手にできると思う

 そういった意味で、学歴にこだわったから、こうするしかないっていうものでもないし。今、就活してて、学歴で判断する人を相手にするときには、存分に学歴をカードとして利用すればいいと思う。逆に、そういうカード使ってもあんまり意味なさそうだなって面接官がいれば、別のカードを切るしかないしね。

 自分の手札とか、覚えてる呪文の一つって感覚で学歴を捉えればいいんじゃないかな。

<構成/サジェリコフ 撮影/山口康仁>

1977年パリで⽣まれ、幼少期をロンドンで過ごす。東京⼤学に⼊学するも、ラップ活動に傾倒し中退。2010年6⽉に脳梗塞で倒れ合併症で左⽬を失明するも、現在は司会や執筆と様々な活動を続けている。

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