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“値下げ戦略”が大コケ。無印良品「商品力強化」に立ち返るのは必然か

ビジネス

すかいらーく、サイゼリヤの値下げ効果は?

ガスト

©Nagahisa_Design

 原材料費やエネルギー価格高騰を受け、やむを得ず値上げに動く会社が続出しています。しかし、集客に苦戦してあえて値下げに動く会社もあります

 すかいらーくホールディングスは、運営するレストラン「ガスト」「しゃぶ葉」などで2022年7月14日から価格改定を実施。「ガスト」「しゃぶ葉」ともに6%程度値下げしました。値下げ後の既存店の売上高(7-9月)は前年同期間比25.1%増。値下げ前の売上高(4-6月)は同19.5%増でした。客数は7-9月が18.4%増、4-6月が15.9%増。客数の増加率は上がっています。

 値上げをしないと宣言したサイゼリヤも、9月の既存店の客数は前年同月比31.9%増となりました。2021年9月は18.7%も減少していました。大幅に客数が伸びています。良品計画も値下げを始めた当初は成果を出していました。値下げや価格据え置き戦略が長期的に奏功するのかがポイントとなります

 コスト高も重なり、業績を大きく左右する“価格”の難しさが浮き彫りとなっています。

<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ>

外食、小売り、ホテル業界を中心に取材を重ねてきた元経営情報誌記者。現在はコンサルタントという名の中小企業経営者のサンドバッグ役を務めるかたわら、経済の面白さを広く伝えるため、開示情報を分析した記事を書いている。好きな言葉は美食家・北大路魯山人の「硬め、麺少なめ、ニンニクマシマシ」

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