ゾンビが町田市に溢れる“異色の漫画”作者が語る「86歳まで漫画を描きたい」
東京都町田市を舞台に、作者をモデルにした主人公が、ゾンビの世界で右往左往しながら、さまざまな人間の愚かさやおかしさに翻弄されていく作品『町田ゾンビーズ』。
今回は、作者である漫画家のイマダリュウジさん(@MachidaDead)にインタビューを決行。前半の記事では、数々の漫画の新人賞を獲得しながらも、あと一歩のところで躍進できない日々を送る中で、新たな経験を積むために漫画創作から1度、離れるところまでを語ってもらった。
後半の記事では、異なる業界に飛び込んだことで再認識できた自身の強みや、インディーズの電子版として作品をリリースすることになった理由について紹介する。また、この記事では、『町田ゾンビーズ』の第2話を特別掲載する。
【インタビュー前半】⇒漫画アシスタントの過酷すぎる日々とは?話題のインディー作家が語る
作画への自信を取り戻した就職経験
──就職したイラストの会社では、具体的にどのような仕事をされていたのですか?
イマダリュウジ(以下、イマダ):CM用のコンテのほかに、テレビで使用するイラストを描く仕事が中心です。これまでと違い、オーダーに応じてイラストを起こしていく作業は新鮮でしたね。
──漫画と勝手が違う仕事にツラさは感じなかったのですか?
イマダ:それよりも、絵を描く面白さを再認識できました。例えば、漫画のカラーページに色付けする技術は、この仕事で培われたと思います。こういうふうに描けばいいんだと。そういう発見が何かとあるので、楽しく仕事ができました。
商業施設の一角で似顔絵を描いていた
──別の仕事に触れて、改めて発見することができたのですね。その会社では、どれくらい勤められたのですか?
イマダ:3年ぐらいでしょうか。いろいろな会社で経験を積もうと考えていたので。それで、次は似顔絵を専門に描く会社に転職をしました。よく、商業施設の一角で特徴をカリカチュアして似顔絵を描いてくれるブースが出ていることがありますよね? その仕事をしていました。
──これまでの漫画で描いてきた技術は生かすことができたのですか?
イマダ:結局、いろいろな作風に挑戦したり、アシスタントの経験もあったりするので、どんな注文にも幅広くお応えできるようになっていたんですね。だから、どんどん腕を磨こうと一生懸命に似顔絵を学ぶようになって、幸いなことに世界大会の白黒部門で優勝することもできました。