不倫&妊娠で女性社長が辞任…スノーピークに見る同族経営の功罪「収益率が高いが」
同族経営はなぜ効率性や収益性が高い?
それでは創業家が一定の支配力を持つと、効率性や収益性が上がるのはなぜでしょうか?
主な要因として、株主と経営者の意見の不一致が生じず、事業推進をスムーズに行えることが挙げられるでしょう。ワンマン経営というとネガティブなイメージもありますが、悪いことばかりではありません。うるさい意見や面倒な議論に煩わされることなく、構想を事業化することができるからです。
会社員であれば、1つの商品やサービス、事業を立ち上げるのがいかに難しいか、身に染みて感じた人もいるでしょう。上司とチームメンバーの説得や議論、役員への事業計画のプレゼンテーション、予算を確保するための収益計画の立案など、社内調整に苦労するはずです。
物言う株主との対立に苦心する経営トップも
経営トップであれば、面倒な口出しをする人はいないのではないかと思うかもしれませんが、それは大きな間違いなのです。
一部株主との闘いに心血を注いでいる典型的な企業が東芝です。日本を代表する会社ですら、物言う株主に翻弄され、非上場化の直前まで追い込まれました。会社の支配力と持ったうえで経営することが、いかに効率的かをまざまざと見せつけられました。
もっとも、同族経営は身内への甘さが露呈し、資質のない人物を後継者に指名するリスクがあります。山井太氏が娘を社長の座から下ろしたのは、早い段階でそのリスクを排除したということでしょう。
<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>