クレームの多い原因は「マニュアルが悪いから」。改善のコツを知れば大きな効果が
マニュアルで“土台”を築いておこう
「また、近年は教育や人材育成においても『反転授業』『反転学習』という考え方が取り入れられ、先に基本となる情報を自分で予習したうえで、講義や研修を受けると習得の精度や効果が高まります。マニュアルで土台を築いた上で補足として先輩にアドバイスをもらうと、よりレベルの高い育成が可能です」
立派なマニュアルを作成・用意してもキチンと読んでもらえなければ意味はない。朝倉氏も「文字だらけの分厚いマニュアルを渡されても、読む気が起きないのは無理もないです」と語る。
「Z世代を中心に動画で学ぶことが一般化しています。これまでの“読むマニュアル”から脱し、より理解されやすい写真や動画を中心とした“見るマニュアル”に進化しなければいけません。また、外国人労働者数は増加傾向にあり、今後は日本語があまり得意でない人が活躍するためにも、画像や動画など文字に頼らないマニュアル作りが必要です」
クレームが8割も減少?
ちなみに「Teachme Biz」はクラウド型のマニュアル作成・共有システムで、分かりやすいマニュアルを誰でも簡単に作成することができるそうだ。
「Teachme Bizを導入した企業から、年間研修時間を1万6000時間短縮、月400件の問い合わせを4割削減、クレームが8割減少、といった効果が報告されています」
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人手不足で困っていたり、ミスやクレームが頻発する企業で使われているのは、手に取るのも辟易するような旧来型のマニュアルなのかもしれない。誰もが理解しやすく改善することで、どんな悩みでもすんなり解決してしまいそうな気がした。
<取材・文/望月悠木 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>