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機内で発砲事件発生!機体に穴が開いたら?
これまで、テロによる飛行機の爆破や、領空警護の戦闘機による攻撃で民間機が爆破、墜落する事故がいくつも起きているが、もし、テロリストが機内で発砲して機体に穴が開いたら、飛行機はすぐに墜落してしまうのだろうか。
高度約1万メートルを飛行している飛行機の外側の気圧は約0.2気圧、機内は0.8気圧に与圧されているので、このとき飛行機の機体の内側には、1平方メートルにつき6トンもの圧力がかかっている。万が一、機体に穴が開いたら、機内の気圧はいっぺんに下がり、すぐに墜落すると考えられるが、実際は墜落せずに緊急着陸できた例がある。
1988年4月28日、ハワイ・アロハ航空のボーイング737がマウイ島上空を飛行中、コックピット後部客席の天井が突然吹き飛ぶという事故が起きた。客室乗務員1名が機外に吸いだされて行方不明になり、乗客65人が重軽傷を負ったが、操縦系統の一部が無事だったため、墜落せずに緊急着陸することができた。
機体に穴が開いても墜落しない理由
また、1994年12月11日、フィリピン航空のボーイング747は、南大東島上空を飛行中に座席の下に仕掛けられていた爆発物が炸裂、床に0.2平方メートルの穴が開いたが、那覇空港に無事緊急着陸できた。なぜこれらのケースで旅客機は墜落しなかったかというと、それは胴体の構造に関係がある。
旅客機の胴体はセミモノコック構造という縦横に走る骨組みに外板を張った構造になっていて、外板に亀裂などが生じても広がらないよう、隣接する骨組みでもちこたえるようにつくられている。このように、一部の破損がすぐに致命的な影響には至らないような構造を「フェイルセーフ構造」という。
そのおかげで、飛行中に発砲事件が起きて機体に穴が開いても、しばらくは飛行を続けることができるので、必ずしもすぐに墜落するわけではない。とはいえ、穴から空気が漏れて機内は減圧し続けるので、緊急着陸しなければならないのはいうまでもない。