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1カ月にわずか3回だけ走る黄色い新幹線の正体とは?実は“正式名称”も存在した

日本の新幹線とは違う海外の高速列車

新幹線車内

 日本の新幹線が誕生して以来、フランスをはじめヨーロッパのいくつかの国で「○○版新幹線」と呼ばれる高速列車が走るようになったが、日本の新幹線とは条件が大きく違っていた

 日本の場合、在来線とはまったく別の新しいレールを敷設した新線が建設されたが、ヨーロッパでは既存のレールを利用して、車両の性能を良くした高速列車を走らせていたり、たとえ新線工事をしていたとしても、一部は既存の路線を使い、超特急以外の列車と共用したりしているのである。

 たとえばフランスのTGVにしても、1981年に開業したパリ~リヨン間の新線といいながら、パリ近郊とリヨン近郊は在来線上を走っていたのが実情だ。

 日本の場合、新幹線を計画したとき、高速走行での安定性を考慮し、国内の在来線で使われている1067ミリメートルの狭軌を、1435ミリメートルの世界の標準軌に変更する必要性があった。ところがヨーロッパは、最初から標準軌が敷かれている。このためヨーロッパでは、新車両の開発は必要だったが、軌道は従来の施設を流用できたというわけだ

スペイン版新幹線はなぜわざわざ狭い軌間にしたのか?

 そんななかにあって、スペインのAVEだけは、日本と同様に、全線を新規に敷設して誕生した高速列車路線である。スペイン語で「スペインの高速」を意味する言葉の略語であるAVEは、最高時速270キロメートルでマドリード~セビリア間を1992年に運行し始めた。

 高速鉄道を走らせるために、新しい路線を建設した点は、スペインはヨーロッパで唯一、日本と同様の環境だ。しかし背景は、日本とまったく逆である。スペインが新しく路線を敷いたのは、高速鉄道の軌間を在来線より狭くするためだった。

 じつはスペインの鉄道は、ヨーロッパ諸国が使う標準軌よりさらに広い軌間のレール(1668ミリメートル)が敷設されていたため、陸続きであるにもかかわらず相互乗り入れができずにいたのである。フランスのTGV開通に刺激されて、将来的には乗り入れをしようという計画で、新線建設に至ったのだという

 現在では、マドリードを拠点に第二の都市バルセロナ、さらに南部のセビリア、コルドバ、マラガ、東部のバレンシアなど、主要都市を結んで走っている。また、2013年12月15日からは、フランスのTGVがパリ~バルセロナ間を直通するほか、スペインのAVEもフランスの3都市に乗り入れを始めた。

<TEXT/レイルウェイ研究会>

子どもの頃、電車の先頭車両に乗り込み興味津々運転席を覗いていた気持ちをもったまま大人になった鉄道ファン集団。「鉄道は夢を運んでいる」を合言葉に、多くの人に鉄道の魅力を伝えたいと、幅広いネットワークを駆使して情報を発信。乗客の目線にこだわった情報収集力には定評がある

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