ゴキブリが出る飲食店には“とある特徴”が。「自力で駆除するのは至難の業」
「冷蔵庫にナメクジがいる」「料理にコバエが混入したことも」――大阪王将の元従業員が告発した悪質な衛生環境に飲食業界は震撼した。だがこれは氷山の一角にすぎない。飲食業界にはびこる闇を照らす。
やっかいで手強いゴキブリ駆除の現実
繰り返される飲食店における害虫・害獣問題。害虫駆除会社のシー・アイ・シーで研究開発部長を務める小松謙之氏が振り返る。
「1990年代は衛生管理の意識が乏しい飲食店がまだ多く、あるお寿司屋さんに伺ったら、厨房の足元が土だったなんてことも。腐敗した食材が土となったのでしょう。
近年は、SNSの普及で問題のある店は晒されるようになったし、汚い店はビルの管理会社からも指摘を受けるので、衛生意識が高まってきていますが、それでも発生は絶えません。日本では伝統的に厨房に水を撒いて清掃しますが、害虫たちが好む多湿な環境にしていることも一因と言われます」
ネズミやゴキブリが知らぬ間に侵入しているかも…
ネズミは、建物の隙間や柱などを食い破って侵入し、食材にフンを混入させたり、配電設備をかじって火災を起こす。ゴキブリは、食材などに紛れ込んでやすやすと店内に入り込み、殺虫剤にも耐えて抵抗性を獲得してパワーアップしている。気づかぬところで“汚染”は進行している。
「例えばゴキブリの駆除であれば、コンセントの内部に至る隅々まで専門の薬剤を使い、1mの作業に5~10分かかります。一般の方が自力で駆除するのは至難の業」
厨房内では食器洗浄機やコールドテーブルのように新たな機器が登場しているが、技術の進歩にも思わぬ落とし穴が。
「ゴキブリは温かいところが好きなので、熱源となるモーターなどに集まりやすい」
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