大阪王将だけじゃない…「一見きれいな店が危ない」不衛生な飲食店の実態
従業員と経営層の間にホットラインを
組織構造に問題があると指摘する声もある。外食産業の裏側に精通する食品安全教育研究所代表の河岸宏和氏はこう話す。
「安全や健康よりも利益を優先するから、こうした問題が起きる。大阪王将の事例は少し特殊で、チェーン店だがメニューも値段もすべて各個店が管理しているのが特徴。
元従業員が告発しているように勤務状況の改善を求めてもまったくとりあわず、SNSでの告発に至った。従業員と経営層の間にホットラインがあればあそこまで悪化しなかったと思います」
保健所に監査機能なし。自浄作用を
「衛生管理を強化するなら、パワハラ防止の相談窓口が義務づけられたように、衛生面での相談窓口が必要でしょう。保健所は何をしているんだという声もありましたが、保健所に衛生問題の監査機能はありません。
食中毒が起きたら初めて対応するという立ち位置です。HACCPは義務化されても罰則はないため、衛生管理を怠る飲食店の根絶は難しい」
我々が口にするものはどう作られ、どう提供されているのか。安心安全の飲食業界を望むならば、目を光らせなくてはならない。