いきなりステーキとガスト、両者赤字も明暗くっきり。創業者ならではの荒業が
インフレが100店舗閉鎖につながった?
すかいらーくはここにきて、約100店の不採算店の閉店を決定します(8月12日)。谷真会長兼社長は、インフレの影響で利益が下押しされていることを強調しました。本当にそうでしょうか?
2021年12月期第2四半期の売上原価は389億円、原価率は30.7%でした。2022年12月期第2四半期の売上原価は450億円で、原価率は31.8%です。確かに原価率は上がっていますが、1.1ポイントの上昇に留まっています。
不採算店の圧縮によって利益が出なければ…
仮に2022年12月期第2四半期の原価率が前期と同じ30.7%だったとします。その場合の売上原価は435億円。売上高から理論上の売上原価・人件費・販管費を引いても75億円のマイナスです。やはり、本業で利益が出ていないことになります。
今回の大規模退店は、どちらかというと2枚看板化を進めたものの、思うような収益性が得られなかったという戦略上のミスのように見えます。
100店舗の退店に関わる減損損失はすでに計上しています。不採算店の圧縮によって利益が出れば良いですが、赤字が続くようなら更なる規模の縮小、損失の拡大もあり得るでしょう。
<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>