流通額5000億円!コンビニで買える「例のカード」人気の秘訣と便利な使い方
アメリカで生まれて日本に上陸
そんなPOSAカード、実はアメリカ生まれ。「私が入社した2013年にはすでに、インコム・ジャパンのPOSAカードは大手のコンビニさんや家電量販店さんを中心に流通しはじめていました。また、アメリカではもっと以前からPOSAの技術を利用したギフトカードを展開していました」と、藤川氏は語る。
そのPOSA技術を展開していた米インコム・ペイメンツ(InComm Payments™)が「この便利な技術をアジアのマーケットでも展開したい」と考え、2007年頃に現代表取締役の荒井琢麿氏に打診。荒井氏が2008年1月に「インコム・ジャパン株式会社」を創立しました。
「POSA事業を担うことになったわけですが、日本で勝手に展開できるわけではありません。2008年の当時すでにアメリカで主要な商品だったiTunes(現在のAppleギフトカード)など当時の主要な取引メーカー様の意向も確認し、日本での事業を開始しました」
創業以来、ほぼ右肩上がりの成長
POSAカード事業に乗り出したインコム・ジャパンは、多少の上下はあるものの、創業以来14年間、ほぼ右肩上がりの成長を続けている。しかし、スタートは荒井氏の自宅。最初から大きなビルで開業したわけではなかった。
「売り上げとともに販売先や販売メーカーさんが増え、人員を拡充。その流れで、いくつかのレンタルオフィスを挟み、2012年頃にいまのオフィスがある新宿にやってきました。階数を変更したりオフィスを広げたりはしていますが、そこからはずっと新宿です。
ただ、アメリカにあるサーバーの接続について、日本の販売店から求められるスピードや精度を出すのに苦労しました。立ち上げ当初に苦労した堅牢性や速度は、我々の強みでありPOSAカードを売るために必要な部分のため、その後も改善しています。いまでもそうですが、創業当時もその部分がいちばん要求も高かったようです。
また、POSAカードは各販売店に、会計作業と同時にコードが使用可能になる電文をインコムと送受信する仕組みをレジに導入してもらう必要があります。販売開始当初は、売れるかどうかわからないものに莫大なコストをかけてレジを改修し、POSAカードを売るべきかどうか、販売店の判断も分かれたと思います」